【令和7年度】同報無線による森町病院からのお知らせ
令和7年10月のお知らせ
放送日:令和7年10月15日
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は当院のワクチン接種についてお話します。
まずインフルエンザワクチンについてですが、当院では10月14日から12月23日まで毎週火曜日に成人の集団接種を行います。小児の集団接種については、森町家庭医療クリニックで10月15日から12月24日まで、毎週月曜日と水曜日に行います。その他定期的に外来受診されている方で接種を希望する方については、病院もクリニックも外来受診時の接種にも対応しますので、希望される方はかかりつけの医師にご相談ください。
また、2023年に薬事承認され、2024度から接種が可能となった鼻にスプレーするインフルエンザワクチンについては、今年から当院でも接種を開始します。対象は2歳から18歳までで、毎週火曜日の午後に当院の小児科で行います。家庭医療クリニックでは接種できませんのでご注意ください。この新しいタイプのワクチンは、鼻や喉の粘膜で抗体が作られ、ウイルスの侵入を初期段階で防ぐことや、注射の痛みがないというメリットはありますが、弱毒生ワクチンなので、接種後1~2週間以内に発熱やのどの痛み、咳などの副反応が出ることがあります。副反応はほとんど一過性で軽いものですが、症状の出方には個人差があります。接種を希望される方は、小児科の医師とよく相談し、副反応についても十分納得したうえで受けてください。予約は当院で随時受け付けています。
その他、肺炎球菌、帯状疱疹、新型コロナ、子宮頸がんなどのワクチンについては森町病院で水曜日の午後にワクチン接種日を設けています。森町家庭医療クリニックでは、子供のワクチン接種は随時受け付けていますが、成人については定期的に受診しているかかりつけの方に限らせていただいていますのでご注意ください。
帯状疱疹ワクチンについては、本年度65歳になる方は公費助成の対象となります。また5年間の経過措置で、今年度70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方も公費助成の対象となりますが、5年が経過すると、その年度に65歳になる方のみが対象となりますので、節目年齢の方で接種を希望する方は助成対象の年度に受けておくことをお勧めします。節目年齢以外の方でも、自己負担のみで接種を希望される方は、随時受け付けていますので当院にお問い合わせください。
ワクチン接種については、当院と森町家庭医療クリニックのホームページをご参照ください。
これからは、重症化してから受診するのではなく、健康を維持するための医療がますます重要となります。ワクチン接種は重症化を防ぐ有効な手段の一つです。疾病の予防、早期発見、早期治療のため、地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は当院のワクチン接種についてお話します。
まずインフルエンザワクチンについてですが、当院では10月14日から12月23日まで毎週火曜日に成人の集団接種を行います。小児の集団接種については、森町家庭医療クリニックで10月15日から12月24日まで、毎週月曜日と水曜日に行います。その他定期的に外来受診されている方で接種を希望する方については、病院もクリニックも外来受診時の接種にも対応しますので、希望される方はかかりつけの医師にご相談ください。
また、2023年に薬事承認され、2024度から接種が可能となった鼻にスプレーするインフルエンザワクチンについては、今年から当院でも接種を開始します。対象は2歳から18歳までで、毎週火曜日の午後に当院の小児科で行います。家庭医療クリニックでは接種できませんのでご注意ください。この新しいタイプのワクチンは、鼻や喉の粘膜で抗体が作られ、ウイルスの侵入を初期段階で防ぐことや、注射の痛みがないというメリットはありますが、弱毒生ワクチンなので、接種後1~2週間以内に発熱やのどの痛み、咳などの副反応が出ることがあります。副反応はほとんど一過性で軽いものですが、症状の出方には個人差があります。接種を希望される方は、小児科の医師とよく相談し、副反応についても十分納得したうえで受けてください。予約は当院で随時受け付けています。
その他、肺炎球菌、帯状疱疹、新型コロナ、子宮頸がんなどのワクチンについては森町病院で水曜日の午後にワクチン接種日を設けています。森町家庭医療クリニックでは、子供のワクチン接種は随時受け付けていますが、成人については定期的に受診しているかかりつけの方に限らせていただいていますのでご注意ください。
帯状疱疹ワクチンについては、本年度65歳になる方は公費助成の対象となります。また5年間の経過措置で、今年度70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方も公費助成の対象となりますが、5年が経過すると、その年度に65歳になる方のみが対象となりますので、節目年齢の方で接種を希望する方は助成対象の年度に受けておくことをお勧めします。節目年齢以外の方でも、自己負担のみで接種を希望される方は、随時受け付けていますので当院にお問い合わせください。
ワクチン接種については、当院と森町家庭医療クリニックのホームページをご参照ください。
これからは、重症化してから受診するのではなく、健康を維持するための医療がますます重要となります。ワクチン接種は重症化を防ぐ有効な手段の一つです。疾病の予防、早期発見、早期治療のため、地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
令和7年9月のお知らせ
放送日:令和7年9月15日
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は災害時の医療についてお話します。
9月1日は防災の日とされ、全国各地で防災訓練が行われました。当院でも、9月6日に職員を対象とした地震防災訓練を行いました。当院で、毎年恒例で行っているのが、避難誘導訓練とトリアージ訓練です。今回は、そのトリアージについてお話します。
地震や台風などの大規模災害が発生すると、多くの負傷者が一度に医療機関へ運ばれてきます。こうした非常時には、限られた医療資源を最大限に活かすために「トリアージ」という仕組みが導入されます。トリアージとは、フランス語で「選別」を意味し、負傷者の緊急度や重症度に応じて治療の優先順位を決める医療行為です。
一般的には、色分けされたトリアージタッグを用いて次のように処置や搬送についての優先順位をつけます。赤は、すぐに治療をしなければ命に関わる重症、黄色は、治療は必要だが少し待てる中等症、緑は、歩行可能で、治療の優先度は低い軽傷、黒は、救命困難な症例です。当院のような救護病院では、混乱を避けるためにすべての患者を院内に受け入れることはできません。そこで、基本的にはトリアージは病院の外で行います。歩行が可能な軽傷の方は緑に分類され、院外で簡単な処置を行い帰宅していただくことになります。院内には、歩行が困難な赤や黄色に分類される方を受け入れ、緊急度に応じて当院で可能な処置を行います。当院で対応できない場合や手術が必要な場合は、災害拠点病院などに搬送することになりますが、そのためには広域の連携が必要になることもあります。通常の医療においては心肺停止の患者さんに対して、人工呼吸や心臓マッサージなどの救命処置が行われることがありますが、災害時にはより救命の可能性が高い患者に医療資源を投入するために、自発呼吸のない患者は黒に分類され、それ以上の処置は行いません。
このような判断は、患者一人ひとりの命を守るためだけでなく、より多くの命を救うための重要な手段です。災害時には医療スタッフの数も限られており、すべての人に同時に十分な治療を施すことが難しいため、トリアージによって公平かつ合理的な対応が可能になります。
地域住民の皆さまには、「トリアージ=見捨てる」という誤解を避けていただきたいと思います。これは冷酷な選別ではなく、命を救うための科学的かつ倫理的な判断です。日頃からこの仕組みを理解しておくことで、災害時の混乱を減らし、医療現場への協力にもつながります。
私たち一人ひとりがトリアージの意義を知り、災害への備えをしておくことが、地域全体の安全と安心につながります。ぜひ、家族やご近所の方ともこの話題を共有し、共に備えを進めていきましょう。地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は災害時の医療についてお話します。
9月1日は防災の日とされ、全国各地で防災訓練が行われました。当院でも、9月6日に職員を対象とした地震防災訓練を行いました。当院で、毎年恒例で行っているのが、避難誘導訓練とトリアージ訓練です。今回は、そのトリアージについてお話します。
地震や台風などの大規模災害が発生すると、多くの負傷者が一度に医療機関へ運ばれてきます。こうした非常時には、限られた医療資源を最大限に活かすために「トリアージ」という仕組みが導入されます。トリアージとは、フランス語で「選別」を意味し、負傷者の緊急度や重症度に応じて治療の優先順位を決める医療行為です。
一般的には、色分けされたトリアージタッグを用いて次のように処置や搬送についての優先順位をつけます。赤は、すぐに治療をしなければ命に関わる重症、黄色は、治療は必要だが少し待てる中等症、緑は、歩行可能で、治療の優先度は低い軽傷、黒は、救命困難な症例です。当院のような救護病院では、混乱を避けるためにすべての患者を院内に受け入れることはできません。そこで、基本的にはトリアージは病院の外で行います。歩行が可能な軽傷の方は緑に分類され、院外で簡単な処置を行い帰宅していただくことになります。院内には、歩行が困難な赤や黄色に分類される方を受け入れ、緊急度に応じて当院で可能な処置を行います。当院で対応できない場合や手術が必要な場合は、災害拠点病院などに搬送することになりますが、そのためには広域の連携が必要になることもあります。通常の医療においては心肺停止の患者さんに対して、人工呼吸や心臓マッサージなどの救命処置が行われることがありますが、災害時にはより救命の可能性が高い患者に医療資源を投入するために、自発呼吸のない患者は黒に分類され、それ以上の処置は行いません。
このような判断は、患者一人ひとりの命を守るためだけでなく、より多くの命を救うための重要な手段です。災害時には医療スタッフの数も限られており、すべての人に同時に十分な治療を施すことが難しいため、トリアージによって公平かつ合理的な対応が可能になります。
地域住民の皆さまには、「トリアージ=見捨てる」という誤解を避けていただきたいと思います。これは冷酷な選別ではなく、命を救うための科学的かつ倫理的な判断です。日頃からこの仕組みを理解しておくことで、災害時の混乱を減らし、医療現場への協力にもつながります。
私たち一人ひとりがトリアージの意義を知り、災害への備えをしておくことが、地域全体の安全と安心につながります。ぜひ、家族やご近所の方ともこの話題を共有し、共に備えを進めていきましょう。地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
令和7年8月のお知らせ
放送日:令和7年4月15日
担当:森町家庭医療クリニック 所長 棚橋信子
皆さん こんにちは 森町家庭医療クリニックの棚橋です。
連日の暑さで熱中症の危険が高まっています。
クリニックや病院でも熱中症疑いの方の受診が増えています。
熱中症は、時に命にかかわることがありますので注意が必要です。
今日は熱中症予防のお話をさせていただきます。
要点は 暑さを避けること こまめに水分を補給し、塩分やカリウムなどミネラルを適度に補給することです。
まず暑さを避けることは全ての人に当てはまります。
室内ではエアコンや扇風機で28℃以下に室温を調整しましょう。
外出時は帽子や日傘などで日差しを避け、日陰の利用やこまめな休憩を取ることが必要です。通気性の良い衣類の着用や、保冷剤、冷たいタオルなどで身体を冷やす工夫をしましょう。
WBGT(暑さ指数)という言葉をご存知ですか?気温だけでなく湿度や放射熱を加えて暑さの危険度を示す指標です。気温が28℃を超えると熱中症の危険が高まります。役場ホームページや天気情報で確認し、暑さ指数が高い時間帯の外出や作業は控えましょう。
次にこまめな水分を補給することと、適度な塩分補給についてお伝えします。
高温環境下で1時間働くと汗で水分1.5 L、塩分を4.5 g失います。夜間でも汗で水分0.5 L、塩分を1.5 gを失います。
外での作業や畑仕事などをする方、汗を沢山かく人は、スポーツドリンクや塩タブレットだけでは塩分不足になりがちです。食事と合わせて塩分を補給してください。特に朝食での水分と塩分補給が重要です。味噌汁や塩鮭、梅干しなどで塩分を摂り、そして水をしっかり摂りましょう。
夜間に足が攣ることが多い方はバナナや野菜ジュース、オレンジジュースでカリウムを補い、筋肉のつりやだるさを防ぎましょう。
次にご高齢の方についてお話しします。特に暑さやのどの渇きを感じにくくなります。自宅でも熱中症になる危険があり、エアコンなどを使って部屋を涼しくし、のどが渇く前に麦茶など水分をこまめに補給しましょう。
高血圧症の方は減塩食でも必要な塩分は確保しましょう。減塩でも味噌汁や梅干しを薄味で取り入れるなど工夫が必要です。
基礎疾患のある方は、水分や塩分のとり方について、念の為、主治医にご確認ください。
例えば、朝の尿が少ない、濃いと感じたら脱水のサインです。早めに水分を摂るようにしましょう。
体調に異変を感じたら無理をせず、涼しい場所で休み、必要なら早めに医療機関を受診しましょう。
要点は 暑さを避けること こまめに水分を補給し、塩分やカリウムなどミネラルを適度に摂ることです。
町内の皆さんで声を掛け合って、みんなで熱中症を予防していきましょう。
担当:森町家庭医療クリニック 所長 棚橋信子
皆さん こんにちは 森町家庭医療クリニックの棚橋です。
連日の暑さで熱中症の危険が高まっています。
クリニックや病院でも熱中症疑いの方の受診が増えています。
熱中症は、時に命にかかわることがありますので注意が必要です。
今日は熱中症予防のお話をさせていただきます。
要点は 暑さを避けること こまめに水分を補給し、塩分やカリウムなどミネラルを適度に補給することです。
まず暑さを避けることは全ての人に当てはまります。
室内ではエアコンや扇風機で28℃以下に室温を調整しましょう。
外出時は帽子や日傘などで日差しを避け、日陰の利用やこまめな休憩を取ることが必要です。通気性の良い衣類の着用や、保冷剤、冷たいタオルなどで身体を冷やす工夫をしましょう。
WBGT(暑さ指数)という言葉をご存知ですか?気温だけでなく湿度や放射熱を加えて暑さの危険度を示す指標です。気温が28℃を超えると熱中症の危険が高まります。役場ホームページや天気情報で確認し、暑さ指数が高い時間帯の外出や作業は控えましょう。
次にこまめな水分を補給することと、適度な塩分補給についてお伝えします。
高温環境下で1時間働くと汗で水分1.5 L、塩分を4.5 g失います。夜間でも汗で水分0.5 L、塩分を1.5 gを失います。
外での作業や畑仕事などをする方、汗を沢山かく人は、スポーツドリンクや塩タブレットだけでは塩分不足になりがちです。食事と合わせて塩分を補給してください。特に朝食での水分と塩分補給が重要です。味噌汁や塩鮭、梅干しなどで塩分を摂り、そして水をしっかり摂りましょう。
夜間に足が攣ることが多い方はバナナや野菜ジュース、オレンジジュースでカリウムを補い、筋肉のつりやだるさを防ぎましょう。
次にご高齢の方についてお話しします。特に暑さやのどの渇きを感じにくくなります。自宅でも熱中症になる危険があり、エアコンなどを使って部屋を涼しくし、のどが渇く前に麦茶など水分をこまめに補給しましょう。
高血圧症の方は減塩食でも必要な塩分は確保しましょう。減塩でも味噌汁や梅干しを薄味で取り入れるなど工夫が必要です。
基礎疾患のある方は、水分や塩分のとり方について、念の為、主治医にご確認ください。
例えば、朝の尿が少ない、濃いと感じたら脱水のサインです。早めに水分を摂るようにしましょう。
体調に異変を感じたら無理をせず、涼しい場所で休み、必要なら早めに医療機関を受診しましょう。
要点は 暑さを避けること こまめに水分を補給し、塩分やカリウムなどミネラルを適度に摂ることです。
町内の皆さんで声を掛け合って、みんなで熱中症を予防していきましょう。
令和7年6月のお知らせ
放送日:令和7年6月15日
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は当院の面会制限解除についてお話しします。
コロナ禍に突入してから、当院はこれまで院内感染防止の観点から、入院患者さんへの面会制限を行ってきました。具体的には、面会時間を短縮して14時から18時までとし、一回の面会者は2人まで、時間は15分以内とし、年齢は原則中学生以上に制限してきました。しかしながら、新型コロナ感染症が感染症法の2類扱いから5類に移行してから2年以上が経過し、年末年始の流行以後、全国的にも新型コロナ感染症の爆発的な流行は見られていません。ゴールデンウィーク後も明らかな感染者の増加はなく、5月19日以降の定点観測では、全国平均、静岡県平均、また西部保健所管内の平均も1医療機関あたりの受診者数は1を下回っています。したがって緊急対策として行ってきた面会制限を継続する根拠はもはやないと判断し、当院では6月1日から面会制限を解除しました。現在面会時間は以前の通り14時から20時に戻し、面会者の人数制限や年齢制限、あるいは面会時間の制限は原則行っていません。しかしながら、新型コロナ感染症患者の発生がまったくなくなったわけではなく、重症化する可能性が低くなったとはいえ、現在も散発的な患者の発生は続いています。当院としては院内感染の発生は極力避けなければなりません。このことはコロナウィルスに限ったことではなく、世の中には多く存在するその他の感染症についても同様です。
入院というのは、病気や怪我の治療を目的として生活の場そのものを一時的に病院に移すことです。したがって、どの役割の病棟であっても目的を達成し、患者さんにとっての本来の生活の場に復帰させることを目指しています。しかしながら、なかなか病状が安定せず入院が長期化する患者さんや、基礎疾患によって免疫力が低下し、感染症にかかった場合には重症化しやすい患者さんも多くいらっしゃいます。病棟とは、治療を目的とする患者さんがそのことに専念できる場でなくてはなりません。一方で、病気のためやむを得ず生活の場を移さざるを得なかった患者さんにとって、ご家族と面会できないことは大変心細いことだと思います。病状によっては面会制限せざるを得ないこともありますが、ある程度安定化した場合、患者さんご自身の意欲が治療にとって重要となります。特に機能回復を目指すリハビリテーションにおいては患者さんご自身の意欲があってこそその効果が得られます。それらの観点から、現状を総合的に判断し、当院は面会制限を解除することを決定しました。しかしながら、感染対策の面からも、多くの患者さんが治療に専念できるようにするためにも、面会される際には、体調不良の方、長時間や多人数の面会、病室での大きな声での会話や飲食などはできるだけ控えるようにお願いしたいと思います。また、マスクの着用は感染対策に有効であることはコロナ禍ですべての国民が学んだことです。この学びを活かしてこそコロナ禍を乗り越えた意味があるといえます。
本年度の当院のキャッチフレーズは「思いやりと信頼」です。医療とは我々専門家だけでなく行政や教育機関、そして地域住民のそれぞれが、それぞれの役割を果たしてこそ成り立ちます。思いやりと信頼に基づいた医療の分化が地域に根付くよう、引き続き地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は当院の面会制限解除についてお話しします。
コロナ禍に突入してから、当院はこれまで院内感染防止の観点から、入院患者さんへの面会制限を行ってきました。具体的には、面会時間を短縮して14時から18時までとし、一回の面会者は2人まで、時間は15分以内とし、年齢は原則中学生以上に制限してきました。しかしながら、新型コロナ感染症が感染症法の2類扱いから5類に移行してから2年以上が経過し、年末年始の流行以後、全国的にも新型コロナ感染症の爆発的な流行は見られていません。ゴールデンウィーク後も明らかな感染者の増加はなく、5月19日以降の定点観測では、全国平均、静岡県平均、また西部保健所管内の平均も1医療機関あたりの受診者数は1を下回っています。したがって緊急対策として行ってきた面会制限を継続する根拠はもはやないと判断し、当院では6月1日から面会制限を解除しました。現在面会時間は以前の通り14時から20時に戻し、面会者の人数制限や年齢制限、あるいは面会時間の制限は原則行っていません。しかしながら、新型コロナ感染症患者の発生がまったくなくなったわけではなく、重症化する可能性が低くなったとはいえ、現在も散発的な患者の発生は続いています。当院としては院内感染の発生は極力避けなければなりません。このことはコロナウィルスに限ったことではなく、世の中には多く存在するその他の感染症についても同様です。
入院というのは、病気や怪我の治療を目的として生活の場そのものを一時的に病院に移すことです。したがって、どの役割の病棟であっても目的を達成し、患者さんにとっての本来の生活の場に復帰させることを目指しています。しかしながら、なかなか病状が安定せず入院が長期化する患者さんや、基礎疾患によって免疫力が低下し、感染症にかかった場合には重症化しやすい患者さんも多くいらっしゃいます。病棟とは、治療を目的とする患者さんがそのことに専念できる場でなくてはなりません。一方で、病気のためやむを得ず生活の場を移さざるを得なかった患者さんにとって、ご家族と面会できないことは大変心細いことだと思います。病状によっては面会制限せざるを得ないこともありますが、ある程度安定化した場合、患者さんご自身の意欲が治療にとって重要となります。特に機能回復を目指すリハビリテーションにおいては患者さんご自身の意欲があってこそその効果が得られます。それらの観点から、現状を総合的に判断し、当院は面会制限を解除することを決定しました。しかしながら、感染対策の面からも、多くの患者さんが治療に専念できるようにするためにも、面会される際には、体調不良の方、長時間や多人数の面会、病室での大きな声での会話や飲食などはできるだけ控えるようにお願いしたいと思います。また、マスクの着用は感染対策に有効であることはコロナ禍ですべての国民が学んだことです。この学びを活かしてこそコロナ禍を乗り越えた意味があるといえます。
本年度の当院のキャッチフレーズは「思いやりと信頼」です。医療とは我々専門家だけでなく行政や教育機関、そして地域住民のそれぞれが、それぞれの役割を果たしてこそ成り立ちます。思いやりと信頼に基づいた医療の分化が地域に根付くよう、引き続き地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
令和7年5月のお知らせ
放送日:令和7年4月15日
担当:森町家庭医療クリニック 所長 棚橋信子
こんにちは。森町家庭医療クリニックの棚橋です。
森町家庭医療クリニックと森町病院では、病気の予防に力を入れています。
今日は、最近あらためて流行が問題となっている麻疹のこと、そして麻疹を含めた感染症の予防のことについてお話しします。
まず麻疹についてお話しします。
最近、日本各地で麻疹という感染症が報告されているのをご存知でしょうか。麻疹は「はしか」とも呼ばれ、発熱や咳、発疹などの症状が出る感染症です。でも「ただの風邪」とは違い、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こすことがあり、重症化すると命にかかわることもある病気です。空気感染もするため感染力がとても強いのが特徴です。
感染を防ぐ一番の方法はワクチン接種です。何より「MRワクチン」という麻疹と風疹の両方を防ぐワクチンを受けることです。「麻疹にかかったこともなく、ワクチンを1回も受けたことのない人」は重症になり易いです。2回の接種が必要とされていて、1回しか受けていない大人も少なくありません。ご自身やお子さんの接種状況を母子手帳などで確認してみてください。
次に麻疹を含めた感染症の予防についてお話しします。
ここで、コロナ禍で私たちが学んだことを思い出してください。
新型コロナウイルスの流行中、私たちはマスクを着けたり、手洗いを徹底したり、人混みを避けたりしてきました。その結果、実はコロナ以外の感染症、たとえばインフルエンザやノロウイルス、手足口病やリンゴ病などが大きく減ったのです。
つまり、基本的な感染対策は、すべてのウイルス感染症の予防に効果があるということです。
これは、私たちがこの数年間で得た大きな教訓です。
感染症から自分と周囲を守るために、今日からすぐできることを3つお伝えします。
まずはワクチン接種の確認と相談です。特に麻疹やインフルエンザは、ワクチンで防げます。
大人も対象です。かかりつけ医や保健所に相談しましょう。
次に手洗い・換気・咳エチケットです。
手洗いをしましょう。「せっけんを使って20秒以上」です。
換気をしましょう。「1時間に1回」くらいが目安です。
そして「咳エチケット」 咳やくしゃみが出るときは、マスクをしましょう。ない時は、自分の服の袖で口を覆いましょう。
そして何より、体調が悪いときは無理をしないということです。
熱がある、咳が続く、体がだるい、発疹が出た…そんなときは早めに医療機関を受診しましょう。「ワクチン接種歴」や「最近出かけた旅行やイベントなど」を診察の時に伝えていただくと、診断に役立ちます。
感染症は、いつどこで流行するかわかりません。免疫力が落ちている高齢者や、まだ免疫力が乏しい乳児は、ウイルスや病原菌の感染で重症化することがあります。特に森町はお年の大きい方が多い地域ですので、みんなで感染を広げないことが重要です。
一人ひとりの行動が、家族や地域を守る力になります。
今日は、感染症を防ぐための、いちばんの基本で大事な事柄について、お伝えしました。
咳エチケット、手洗い、ワクチン接種について もう一度見直してみましょう。
みんなで、「うつらない」「うつさない」を意識して、今できる予防を続けていきましょう。
担当:森町家庭医療クリニック 所長 棚橋信子
こんにちは。森町家庭医療クリニックの棚橋です。
森町家庭医療クリニックと森町病院では、病気の予防に力を入れています。
今日は、最近あらためて流行が問題となっている麻疹のこと、そして麻疹を含めた感染症の予防のことについてお話しします。
まず麻疹についてお話しします。
最近、日本各地で麻疹という感染症が報告されているのをご存知でしょうか。麻疹は「はしか」とも呼ばれ、発熱や咳、発疹などの症状が出る感染症です。でも「ただの風邪」とは違い、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こすことがあり、重症化すると命にかかわることもある病気です。空気感染もするため感染力がとても強いのが特徴です。
感染を防ぐ一番の方法はワクチン接種です。何より「MRワクチン」という麻疹と風疹の両方を防ぐワクチンを受けることです。「麻疹にかかったこともなく、ワクチンを1回も受けたことのない人」は重症になり易いです。2回の接種が必要とされていて、1回しか受けていない大人も少なくありません。ご自身やお子さんの接種状況を母子手帳などで確認してみてください。
次に麻疹を含めた感染症の予防についてお話しします。
ここで、コロナ禍で私たちが学んだことを思い出してください。
新型コロナウイルスの流行中、私たちはマスクを着けたり、手洗いを徹底したり、人混みを避けたりしてきました。その結果、実はコロナ以外の感染症、たとえばインフルエンザやノロウイルス、手足口病やリンゴ病などが大きく減ったのです。
つまり、基本的な感染対策は、すべてのウイルス感染症の予防に効果があるということです。
これは、私たちがこの数年間で得た大きな教訓です。
感染症から自分と周囲を守るために、今日からすぐできることを3つお伝えします。
まずはワクチン接種の確認と相談です。特に麻疹やインフルエンザは、ワクチンで防げます。
大人も対象です。かかりつけ医や保健所に相談しましょう。
次に手洗い・換気・咳エチケットです。
手洗いをしましょう。「せっけんを使って20秒以上」です。
換気をしましょう。「1時間に1回」くらいが目安です。
そして「咳エチケット」 咳やくしゃみが出るときは、マスクをしましょう。ない時は、自分の服の袖で口を覆いましょう。
そして何より、体調が悪いときは無理をしないということです。
熱がある、咳が続く、体がだるい、発疹が出た…そんなときは早めに医療機関を受診しましょう。「ワクチン接種歴」や「最近出かけた旅行やイベントなど」を診察の時に伝えていただくと、診断に役立ちます。
感染症は、いつどこで流行するかわかりません。免疫力が落ちている高齢者や、まだ免疫力が乏しい乳児は、ウイルスや病原菌の感染で重症化することがあります。特に森町はお年の大きい方が多い地域ですので、みんなで感染を広げないことが重要です。
一人ひとりの行動が、家族や地域を守る力になります。
今日は、感染症を防ぐための、いちばんの基本で大事な事柄について、お伝えしました。
咳エチケット、手洗い、ワクチン接種について もう一度見直してみましょう。
みんなで、「うつらない」「うつさない」を意識して、今できる予防を続けていきましょう。
令和7年4月のお知らせ
放送日:令和7年4月15日
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。本日は、令和7年度の当院の事業方針についてお話します。
令和7年度は、団塊の世代がすべて後期高齢者となる年です。その時に備えて、これまで当院は、地域包括ケアシステムの中心的な役割を果たすための形を整えてきました。人生100年時代を迎え、多くの方が、長い高齢期を過ごし、毎年多くの方が高齢で亡くなる多死時代が訪れています。医療だけでなく、介護と医療を同時に必要とする人が今後さらに増えてきます。
その様な時代を迎え、これまでの当院は、内科、外科、整形外科を3本柱とする入院医療体制を構築していました。今年度は、総合診療科、整形外科、リハビリテーション科を3本柱とする形に進化しています。総合診療科とは、既存の診療科に関わりなく、すべての患者を対象とするものですが、当院の場合は、内科と外科を一体化する形をとります。このことは、これからの医療需要が、必ずしも一つの専門領域に限らず、複数の疾患を持つ高齢者が増加する時代に対応するためです。森町家庭医療クリニックは、子供からお年寄りまですべての対象者を受け入れていますが、当院は外来については、今まで通り内科と外科に分かれて診療を行います。一方整形外科とリハビリテーション科は、高齢化とともにその需要はますます増加します。整形外科とリハビリテーション科については、その専門性をさらに高めていきます。整形外科については、これまでの医師二人体制から今年度三人体制としました。
昨年当院と森町家庭医療クリニックは、在宅医療の積極的医療機関に指定されました。在宅医療の需要は今後も増加することが見込まれます。森町では、現在在宅医療の主たる担い手は、森町家庭医療クリニックとなっていますが、在宅医療は入院のバックアップがあってこそ成り立ちます。当院は、在宅医療の入院バックアップ機能を担っていきます。今後、かかりつけ医機能を担う診療所とその入院バックアップ機能を担う中小病院が一体的に機能することが重要となります。昨年度当院は、院内に地域包括ケア部門を新設し、近隣介護施設との連携を深めたこともあり、介護施設からの救急搬送も増加しています。そのような中、内科医師の負担軽減も目指して、救急対応も内科、外科一体化した総合診療科で対応していきます。
多くの方が、亡くなる多死時代に向けて、森町では、これまでも多職種合同カンファレンスでACPをテーマとして検討を重ねてまいりました。ACPとは人生会議とも称されますが、自分の意思がうまく伝えられなくなったときに、どのような医療を受けたいか、あるいは誰に判断してもらいたいかなどを前もって関係者間で話し合っておこうというものです。地域にACPの分化が根付くよう、これからも取り組んでまいります。
当院は、年度ごとにキャッチフレーズを作成してきました。令和7年度のキャッチフレーズは、「思いやりと信頼」です。医療は様々な役割が、互いに補い合って成り立つ仕組みです。当院はこれまでも様々なシステム改革に取り組んできました。しかしながら、医療というシステムの構成要素は主に人です。人と人が関わりあう医療というシステムの根本には、思いやりと信頼がなければなりません。令和7年度は、当院にとって世代交代の年でもあります。新たな気持ちで、医療の基本に立ち戻り再スタートしていきます。これからも地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。本日は、令和7年度の当院の事業方針についてお話します。
令和7年度は、団塊の世代がすべて後期高齢者となる年です。その時に備えて、これまで当院は、地域包括ケアシステムの中心的な役割を果たすための形を整えてきました。人生100年時代を迎え、多くの方が、長い高齢期を過ごし、毎年多くの方が高齢で亡くなる多死時代が訪れています。医療だけでなく、介護と医療を同時に必要とする人が今後さらに増えてきます。
その様な時代を迎え、これまでの当院は、内科、外科、整形外科を3本柱とする入院医療体制を構築していました。今年度は、総合診療科、整形外科、リハビリテーション科を3本柱とする形に進化しています。総合診療科とは、既存の診療科に関わりなく、すべての患者を対象とするものですが、当院の場合は、内科と外科を一体化する形をとります。このことは、これからの医療需要が、必ずしも一つの専門領域に限らず、複数の疾患を持つ高齢者が増加する時代に対応するためです。森町家庭医療クリニックは、子供からお年寄りまですべての対象者を受け入れていますが、当院は外来については、今まで通り内科と外科に分かれて診療を行います。一方整形外科とリハビリテーション科は、高齢化とともにその需要はますます増加します。整形外科とリハビリテーション科については、その専門性をさらに高めていきます。整形外科については、これまでの医師二人体制から今年度三人体制としました。
昨年当院と森町家庭医療クリニックは、在宅医療の積極的医療機関に指定されました。在宅医療の需要は今後も増加することが見込まれます。森町では、現在在宅医療の主たる担い手は、森町家庭医療クリニックとなっていますが、在宅医療は入院のバックアップがあってこそ成り立ちます。当院は、在宅医療の入院バックアップ機能を担っていきます。今後、かかりつけ医機能を担う診療所とその入院バックアップ機能を担う中小病院が一体的に機能することが重要となります。昨年度当院は、院内に地域包括ケア部門を新設し、近隣介護施設との連携を深めたこともあり、介護施設からの救急搬送も増加しています。そのような中、内科医師の負担軽減も目指して、救急対応も内科、外科一体化した総合診療科で対応していきます。
多くの方が、亡くなる多死時代に向けて、森町では、これまでも多職種合同カンファレンスでACPをテーマとして検討を重ねてまいりました。ACPとは人生会議とも称されますが、自分の意思がうまく伝えられなくなったときに、どのような医療を受けたいか、あるいは誰に判断してもらいたいかなどを前もって関係者間で話し合っておこうというものです。地域にACPの分化が根付くよう、これからも取り組んでまいります。
当院は、年度ごとにキャッチフレーズを作成してきました。令和7年度のキャッチフレーズは、「思いやりと信頼」です。医療は様々な役割が、互いに補い合って成り立つ仕組みです。当院はこれまでも様々なシステム改革に取り組んできました。しかしながら、医療というシステムの構成要素は主に人です。人と人が関わりあう医療というシステムの根本には、思いやりと信頼がなければなりません。令和7年度は、当院にとって世代交代の年でもあります。新たな気持ちで、医療の基本に立ち戻り再スタートしていきます。これからも地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

