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【令和7年度】同報無線による森町病院からのお知らせ


令和7年5月のお知らせ

放送日:令和7年4月15日
担当:森町家庭医療クリニック 所長 棚橋信子

 こんにちは。森町家庭医療クリニックの棚橋です。
 森町家庭医療クリニックと森町病院では、病気の予防に力を入れています。
 今日は、最近あらためて流行が問題となっている麻疹のこと、そして麻疹を含めた感染症の予防のことについてお話しします。
 まず麻疹についてお話しします。
 最近、日本各地で麻疹という感染症が報告されているのをご存知でしょうか。麻疹は「はしか」とも呼ばれ、発熱や咳、発疹などの症状が出る感染症です。でも「ただの風邪」とは違い、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こすことがあり、重症化すると命にかかわることもある病気です。空気感染もするため感染力がとても強いのが特徴です。
 感染を防ぐ一番の方法はワクチン接種です。何より「MRワクチン」という麻疹と風疹の両方を防ぐワクチンを受けることです。「麻疹にかかったこともなく、ワクチンを1回も受けたことのない人」は重症になり易いです。2回の接種が必要とされていて、1回しか受けていない大人も少なくありません。ご自身やお子さんの接種状況を母子手帳などで確認してみてください。

 次に麻疹を含めた感染症の予防についてお話しします。
 ここで、コロナ禍で私たちが学んだことを思い出してください。
 新型コロナウイルスの流行中、私たちはマスクを着けたり、手洗いを徹底したり、人混みを避けたりしてきました。その結果、実はコロナ以外の感染症、たとえばインフルエンザやノロウイルス、手足口病やリンゴ病などが大きく減ったのです。
 つまり、基本的な感染対策は、すべてのウイルス感染症の予防に効果があるということです。
 これは、私たちがこの数年間で得た大きな教訓です。

 感染症から自分と周囲を守るために、今日からすぐできることを3つお伝えします。
 まずはワクチン接種の確認と相談です。特に麻疹やインフルエンザは、ワクチンで防げます。
 大人も対象です。かかりつけ医や保健所に相談しましょう。

 次に手洗い・換気・咳エチケットです。
 手洗いをしましょう。「せっけんを使って20秒以上」です。
 換気をしましょう。「1時間に1回」くらいが目安です。
 そして「咳エチケット」 咳やくしゃみが出るときは、マスクをしましょう。ない時は、自分の服の袖で口を覆いましょう。
 そして何より、体調が悪いときは無理をしないということです。
 熱がある、咳が続く、体がだるい、発疹が出た…そんなときは早めに医療機関を受診しましょう。「ワクチン接種歴」や「最近出かけた旅行やイベントなど」を診察の時に伝えていただくと、診断に役立ちます。

 感染症は、いつどこで流行するかわかりません。免疫力が落ちている高齢者や、まだ免疫力が乏しい乳児は、ウイルスや病原菌の感染で重症化することがあります。特に森町はお年の大きい方が多い地域ですので、みんなで感染を広げないことが重要です。
 一人ひとりの行動が、家族や地域を守る力になります。
 今日は、感染症を防ぐための、いちばんの基本で大事な事柄について、お伝えしました。
 咳エチケット、手洗い、ワクチン接種について もう一度見直してみましょう。
 みんなで、「うつらない」「うつさない」を意識して、今できる予防を続けていきましょう。

令和7年4月のお知らせ

放送日:令和7年4月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。本日は、令和7年度の当院の事業方針についてお話します。
 令和7年度は、団塊の世代がすべて後期高齢者となる年です。その時に備えて、これまで当院は、地域包括ケアシステムの中心的な役割を果たすための形を整えてきました。人生100年時代を迎え、多くの方が、長い高齢期を過ごし、毎年多くの方が高齢で亡くなる多死時代が訪れています。医療だけでなく、介護と医療を同時に必要とする人が今後さらに増えてきます。
 その様な時代を迎え、これまでの当院は、内科、外科、整形外科を3本柱とする入院医療体制を構築していました。今年度は、総合診療科、整形外科、リハビリテーション科を3本柱とする形に進化しています。総合診療科とは、既存の診療科に関わりなく、すべての患者を対象とするものですが、当院の場合は、内科と外科を一体化する形をとります。このことは、これからの医療需要が、必ずしも一つの専門領域に限らず、複数の疾患を持つ高齢者が増加する時代に対応するためです。森町家庭医療クリニックは、子供からお年寄りまですべての対象者を受け入れていますが、当院は外来については、今まで通り内科と外科に分かれて診療を行います。一方整形外科とリハビリテーション科は、高齢化とともにその需要はますます増加します。整形外科とリハビリテーション科については、その専門性をさらに高めていきます。整形外科については、これまでの医師二人体制から今年度三人体制としました。
 昨年当院と森町家庭医療クリニックは、在宅医療の積極的医療機関に指定されました。在宅医療の需要は今後も増加することが見込まれます。森町では、現在在宅医療の主たる担い手は、森町家庭医療クリニックとなっていますが、在宅医療は入院のバックアップがあってこそ成り立ちます。当院は、在宅医療の入院バックアップ機能を担っていきます。今後、かかりつけ医機能を担う診療所とその入院バックアップ機能を担う中小病院が一体的に機能することが重要となります。昨年度当院は、院内に地域包括ケア部門を新設し、近隣介護施設との連携を深めたこともあり、介護施設からの救急搬送も増加しています。そのような中、内科医師の負担軽減も目指して、救急対応も内科、外科一体化した総合診療科で対応していきます。
 多くの方が、亡くなる多死時代に向けて、森町では、これまでも多職種合同カンファレンスでACPをテーマとして検討を重ねてまいりました。ACPとは人生会議とも称されますが、自分の意思がうまく伝えられなくなったときに、どのような医療を受けたいか、あるいは誰に判断してもらいたいかなどを前もって関係者間で話し合っておこうというものです。地域にACPの分化が根付くよう、これからも取り組んでまいります。
 当院は、年度ごとにキャッチフレーズを作成してきました。令和7年度のキャッチフレーズは、「思いやりと信頼」です。医療は様々な役割が、互いに補い合って成り立つ仕組みです。当院はこれまでも様々なシステム改革に取り組んできました。しかしながら、医療というシステムの構成要素は主に人です。人と人が関わりあう医療というシステムの根本には、思いやりと信頼がなければなりません。令和7年度は、当院にとって世代交代の年でもあります。新たな気持ちで、医療の基本に立ち戻り再スタートしていきます。これからも地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。