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【令和3年度】同報無線による森町病院からのお知らせ


令和4年3月のお知らせ

放送日:令和4年3月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、引き続きコロナウィルス感染症についてお話します。
全国的に、コロナウィルスの1日当たり新規感染者数は減少傾向ではあるものの、依然として高い数字が続いています。静岡県も、累積の感染者数が10万人を超え、県民の35人に一人はコロナに感染したことになります。森町でも、3月13日時点での累積患者数は338人で、この数字は人口100人当たり1.9人、すなわち52人に一人がこれまでにコロナに感染したことになります。つまり、コロナ感染症は、この森町においても極めて身近な感染症になったと言わざるを得ません。
 このように、急速に感染者が増加したのは今年になってウィルスがオミクロン株に入れ替わったためです。オミクロン株はそれまでのものと違って極めて感染力が高いことが特徴です。肺炎を起こすことは稀ですが、たとえ軽症であっても、感染や濃厚接触によって仕事を休む必要があり、それによりさまざまな社会活動が制限されることになることが問題です。
 現在のように森町でも連日感染者が報告されるような状況では、誰もが感染する可能性があります。したがって、感染した場合にどのように対応すればよいかを一人一人が知っておくことも大切です。感染した場合、症状が出てから10日間は人にうつす可能性があるため、その間は人との接触を断つ必要があります。後になってコロナ感染と判明した場合、その間に近距離でマスクをせず接触した人は濃厚接触者の可能性があります。したがって、濃厚接触者を増やさないためには、症状がある場合は、まずは人との接触を断つことが必要です。感染した場合、酸素投与が必要であれば入院となりますが、それ以外の方は自宅か宿泊施設で療養することになります。現状では、ほとんどの方が自宅療養となっています。10日間が経過し、最後の3日間症状が安定していれば行動制限解除となります。10日以上経過していれば、人に感染させる可能性は無くなり、日常生活に復帰することができます。復帰のためにPCR検査で確認する必要はありません。濃厚接触者は、感染者と接触を断ってから7日間経過観察する必要があります。その間仕事も休まなければなりません。濃厚接触者であっても、症状がなければすぐにPCR検査を行う必要はありません。無症状の時に検査で陰性であったとしても、その後発症し陽性となる可能性があるからです。したがって7日間は経過観察し、症状が出てからPCR検査を行う方が理にかなっています。7日間無症状であれば、PCR検査を行わなくても経過観察期間は解除され、日常生活に復帰することができますが、その後も人と接触する時にはマスクは着用すべきです。
 しばらくの間我々はコロナ感染と向き合いながら社会生活を継続しなければなりません。たとえ自分や家族が感染したとしても、慌てず正しい対応をすることで、感染をさらに拡大させないようにすることが大切です。引き続き地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和4年2月のお知らせ

放送日:令和4年2月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、現在この地域でも広がっているオミクロン株についてお話します。
 先月から、急速にコロナ感染が拡大しています。感染拡大の速さはこれまでとはけた違いのものと言っていいでしょう。いまや、誰もがどこで感染してもおかしくない状況です。今回の感染拡大は主としてオミクロン株によるものです。これだけ急速な広がりが起こっているのは、やはりオミクロン株の感染力の強さによるものと思われます。一方、感染者の多くが軽症で、風邪のような上気道炎症状で発症しますが、熱は数日で解熱する方がほとんどです。咳やのどの痛みはしばらく続く方もいますが、時間とともに改善してきます。これまでのアルファ株やデルタ株では、多くの方が肺炎を発症し、経過中に突然重症化することもありましたが、今回のオミクロン株では肺炎は発症しないようです。しかしながら、感染者数の増加とともに死亡者数が増えてきているのも事実です。したがって、オミクロン株が軽症だからと言って決して油断することはできません。問題は感染力の強さです。
 感染に対する反応は人それぞれです。オミクロン株の場合、自宅療養で済んでいる方がほとんどですが、入院となるのは感染を契機に基礎疾患が悪化した人です。オミクロン株は軽症だからと言って油断していると、感染者の絶対数が増えることで、結果として死亡例を増やすことになります。そのため、感染拡大防止の観点から、感染者は10日間人との接触を断つことが求められます。また同居家族など濃厚接触が疑われる方は、感染者と接触を断ってから7日間発症しないかどうかの経過観察期間が必要になります。この間は、仕事なども含め日常生活が制限されます。今回の第6波では、感染者や濃厚接触者の増加により様々な社会活動に支障をきたしていることが問題になっています。
 これまでのコロナウィルスは、発症の2日前から排出するウィルス量が増加するため、症状が出る前から人にうつす可能性が指摘されていました。一方、オミクロン株の場合は、症状が出てから排出するウィルス量が増え、発症前はその量が少ないことが報告されています。したがって、発症前はマスク着用や人との距離を保つことで感染が防げる可能性が高くなります。しかしながら、濃厚接触を避けることが難しい家庭内では、無症状の人から感染している例もあります。感染を家庭内に持ち込まないためにも、日ごろから人と接触する場合はマスクの着用などを怠らないことが重要となります。一方同居家族であっても、発症してから接触を断つことで、家族内の感染を防止できた例も多くみられます。
コロナ感染と通常の風邪などを症状から鑑別することは困難です。したがって、発熱、咳、鼻水、のどの痛みなどの症状がみられた場合は、人との接触をできるだけ避けることが大切です。
 今回のオミクロン株は、ワクチン2回接種後半年以内の方でも発症しています。したがって、ワクチンが感染そのものを予防することはできません。しかしながら、重症化を防ぐ可能性はあります。3回目のワクチン接種は打っておいた方がよいでしょう。ワクチンを打ったら感染しないということではないので注意してください。いずれにせよ、感染対策はしっかり行うことで、自分自身を守ると同時に人に感染させないことが何よりも大切です。引き続き地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和4年1月のお知らせ

放送日:令和4年1月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、引き続きコロナウィルス関連のお話をします。
 現在、再び全国的なコロナ感染の急速な拡大がみられています。静岡県においても1月13日の時点で1日の新規感染者数382人が報告されています。中東遠圏域でも、77人報告されていますが、幸いにして森町では今のところ新たな感染者は発生していません。しかしながら、今回の感染者の増加は、今までになく急速な立ち上がりを示しており、このことはデルタ株の2~3倍感染力が強いとされるオミクロン株に置き換わってきたこと、年末までは比較的国内の感染者数が落ち着いていたために、年末年始の人々の活動が活発化したことなどが影響しているものと思われます。森町においてもいつ感染者が発生してもおかしくない状況です。
 オミクロン株については、まだ分かっていないこともありますが、これまでのものよりも重症化率が低い可能性が報告されています。しかしながら、国内でもオミクロン株が疑われる死亡例も報告されており、決して油断はできません。特に高齢者や糖尿病、肥満、慢性呼吸機能疾患などの基礎疾患のある方は注意が必要です。様々な理由でワクチンを接種していない人も重症化の可能性があります。高齢化率が進んだ森町では、たとえ基礎疾患の無い若い人であっても周囲の人に感染を広げないことが大切です。このまま感染者が増加すると、医療機関だけでなく、すべての社会活動が機能しなくなる可能性もあります。
 オミクロン株の特徴は、のどの痛みや咳、発熱などの上気道炎症状が主体で、通常の風邪との見分けが困難なことが挙げられます。これまでのコロナウィルスと比べて潜伏期間が短いのも特徴です。水際対策の時期は、オミクロン株の患者は全例入院という対応をしていましたが、現在のように市中感染レベルになった状況では、入院は中等症以上の人に限られ、軽症者は自宅療養が主体となってきます。したがって、感染を拡大させないためには、地域の人々一人一人の取り組みが何よりも重要となってきます。風邪症状がみられた場合は、まずは人との接触を断つこと、そして医療機関に電話等で予約したうえで早めにPCR検査を受けることをお勧めします。もはや濃厚接触者の拾い上げは現実的ではなく、感染者は自ら接触した人に注意を呼び掛けることも必要になります。
 いずれにせよ、3密を避け、マスクや手洗い、うがいなどの感染対策はしっかり続けてください。地域の力を結集してこの危機を乗り越えていきたいものです。あらためて地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和3年12月のお知らせ

放送日:令和3年12月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、引き続きコロナウィルス関連のお話をします。
 この中東遠圏域では、10月16日に1名の新規感染者報告されたのを最後に、以後現在まで新たな発生はみられていません。しかしながら、静岡県内ではわずかながら連日新規感染者が報告され、クラスターも発生しています。全国の感染者数も、1週間ごとの累計でみると11月28日までは減少傾向であったものの、以後増加傾向に転じ、12月12日時点で1週間の累計が881人に達しています。少しずつ感染者が増加しつつあるのは、人々の活動が活発化したことが一因であると思われます。一時期に比べ感染者数が減っているからと言って、決して油断はできない状況です。
 また、世界ではオミクロン株の感染拡大が懸念され、国内でも感染者が報告されています。オミクロン株については、まだ詳しいことはわかっていませんが、デルタ株よりもさらに感染力が強いとの報告もあり今後さらに注意が必要です。
 また、昨年の年末から今年の年始にかけての第3波は、この中東遠圏域でも病床がひっ迫し、当院でも2月に回復期病棟を閉鎖し、コロナ患者受け入れ体制を整える必要に迫られました。8月のデルタ株による感染拡大は、それまでとは桁違いのものでしたが、森町では比較的短期間で町内患者の発生は治まっています。これも町内の皆様のご協力のおかげであり、医療に携わる立場として心から感謝申し上げます。
 この圏域では新たな患者発生が認められていないため、11月1日から当院の病棟体制をもとに戻し、12月1日付で、病棟の面会禁止も解除しています。今後再び感染拡大が起これば、再度面会禁止とする可能性もあり、地域の皆様には、引き続きマスクや手洗いなどの予防対策を継続していただくようお願いいたします。
 ワクチンの効果については、6か月が経過すると感染予防効果が低下することが指摘され、現在3回目のワクチン接種が計画されています。森町では、前回先行接種を行った医療従事者と高齢者の接種を1月に開始し、以後引き続き一般の方の3回目ワクチン接種を計画しています。町からの情報発信に注意していてください。
 全国的にはわずかながら感染者増加の兆しもみられることから、年末年始の人々の移動が活発化するこの時期、あらためてこれまでの感染対策を徹底していただけるよう、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和3年11月のお知らせ

放送日:令和3年11月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、当院の病棟体制変更についてお話します。
 当院は、年末年始のコロナ患者急増、いわゆる第3波に対応するため、本年2月1日から回復期リハビリテーション病棟を閉鎖し、コロナ患者の受け入れ病棟としました。幸い2月になってから患者数が減少し、その後は、コロナ治療後のリハビリ目的の患者のみを受け入れてきました。しかしながら、ワクチンが行き渡るまでは、コロナ収束の可能性が低いこと、東京オリンピックを控えていたことなどを考慮し、そのままコロナ患者受け入れ体制を継続していました。実際第4波、第5波と続き、特に第5波はデルタ株による爆発的な患者数の増加がみられ、この中東遠地域でも、医療がひっ迫する危機的な状況となりました。そのような状況の中、当院でも何人かのコロナ患者を受け入れてきましたが、この圏域では、7月から宿泊施設も確保されたこと、また自宅療養の患者に対しては、当院から連日電話による健康観察などを行うなどして、第5波の危機的状況を何とか乗り越えることができました。9月に入ってから急速に患者数が減少し、全国的にも新規感染者の報告が減ったことで、現在ようやく一息ついているところです。
 この間、地域の皆さんのご協力には、医療に携わる立場として、本当に感謝したいところです。近隣市町の状況をみると、今年の4月1日から10月31日までのコロナ新規感染者数は、人口1000人あたり、森町が2.3人、磐田市6.3人、袋井市5.3人、掛川市4.7人、菊川市8.7人、御前崎市6.4人で、森町は他と比べ半分以下の患者数でした。このことは、まさに地域の皆様の感染対策への取り組みの結果であると思います。ただし、国内の感染者数は減っているとはいえ、諸外国ではいまだ多くの患者が発生しています。また、昨年も年末年始にかけて爆発的な患者数の増加がみられたことから、まだ決して油断はできません。森町だから大丈夫ということはなく、今後も、マスクなどの感染対策は継続していただきたいと思います。
 今回の患者数の減少に、ワクチン接種の効果があったことは間違いありません。最近の県の発表では、全世代を対象としたワクチン接種率は、県全体が72%であるのに対して、森町は76%と県平均を上回っています。このようにワクチンが行き渡り、患者数が減少した中で、今後当院がコロナ患者の入院受け入れを行う可能性は極めて低くなったと判断し、11月1日から病棟体制を元に戻しました。また、コロナの再拡大がない状況が11月いっぱい続けば、これまで行ってきた入院患者に対する面会禁止も解除する方向で検討中です。国は3回目のワクチン接種も進めようとしています。今後もワクチン接種をはじめとした、コロナ感染対策に対する地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和3年10月のお知らせ

放送日:令和3年10月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は引き続きコロナウィルス関連の情報をお伝えします。
 10月13日の時点で、静岡県内の1日のコロナウィルス感染者数は4人となり、1週間以内の新たな感染者数は、合計37人でした。全国の状況を見ても、8月20日に25800人余りの患者が発生したのをピークに、現在は3けた台まで減っています。このように、9月以降急速に患者数は減少に向かいましたが、その要因としてはやはりワクチン接種が行き渡ってきたことの効果が最も大きいのではないかと思います。中東遠圏域でも、この1週間の新規感染者数は3人で、現在この圏域では、入院治療を行っている患者はいません。これはおよそ1年ぶりのことです。しかしながら、決して新規感染者数は、ゼロではなく、浜松市や静岡市でもわずかながら発生が報告されているため、決して油断することはできません。9月30日で緊急事態宣言が解除され、その後約2週間が経過しようとしています。人々の行動変化により、患者数が再び増えてこないかどうかは、2週間が経過してから後の数字がひとつの目安になると思います。また、昨年は気温が低くなる10月末から患者数が増加し、年末年始の患者数激増につながりました。したがって、今後も十分に注意する必要があります。
 当院は、年末年始の第3波における危機的な状況に対応するため、今年の2月から回復期リハビリテーション病棟を閉鎖し、コロナ患者受け入れ態勢を整えました。その後第4波、第5波と続き、当院も病棟機能を戻すことが困難な状況が続きました。しかしながら、現在のような安定した状況が今後も続くようなら、病棟体制を戻し、当院が地域に求められる本来の医療の役割が果たせるようにしたいと考えています。それが可能かどうかは、すべて今後の患者発生状況によります。
 国内の患者数は減少していますが、海外では、ワクチンがある程度行き渡った国でもまだ多くの患者が発生しています。これまでも繰り返し述べてきましたが、ワクチンを打ったとしても感染することはあり得ます。また抗体のでき方や持続力には個人差があります。ワクチンを打ったから、あるいは緊急事態宣言が終わったからと言って、決して安心できる状況になったわけではありません。再び緊急事態にならないように、極端な行動は控え、バランスの取れた感染対策を続けることが必要です。引き続き地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和3年9月のお知らせ

放送日:令和3年9月15日
担当者:院長 中村昌樹

  おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は引き続きコロナ感染症についてお話します。
 森町のコロナ感染者数は、8月半ばから一気に増え始め、8月25日がピークで、その後しだいに減少しています。幸いにして9月2日以降は、森町在住の方の感染者は発生していません。しかしながら、浜松市、中東遠地域各市町の感染者は、ピーク時より減ってはいるものの、いまだ連日感染者が発生しており、森町住民も引き続き注意が必要な状況です。
 今回の第5波は、これまでになく感染者が増加し、この中東遠圏域では、2つの重点病院もひっ迫し、入院患者は酸素が必要とされる中等症Ⅱ以上の患者に限られ、多くの患者は、宿泊施設か自宅での療養を余儀なくされました。そのような状況の中、当院でも重症化の可能性が低いと判断された患者や、人工呼吸器などの重装備の医療を希望しないコロナ患者を受け入れてきました。また、保健所業務も手一杯となり、濃厚接触者やクラスターに対しても、それまでどおりの対応が十分できない状況となりました。そこで、当院では、8月22日以降に発生した森町在住の自宅療養の患者さんについては、朝夕電話による健康チェックを行ってきました。幸いにして、在宅療養のすべての患者さんは、重症化することなく経過観察期間を終了しています。
 8月の感染者の爆発的な増加は、まさに危機的状況でした。森町の昨年から7月末までの累積患者数は30人であったのに、8月末には63人と1月で倍以上に増加しています。このことは、感染対策が長期化したことによる人々の気のゆるみが一因になったことは否定できません。この同報無線で何度もくりかえし述べているように、ウィルスは人から人にうつるため、感染を防ぐには人との接触を断つしかありません。屋外だからとか、ワクチンを打ったからとか、マスクをしているからというだけでは完全に感染を防ぐことはできません。人と会う時には、自分も人にうつす可能性があるということを常に意識してもらいたいと思います。幸いにして9月に入ってから感染者数は減少していますが、昨年は寒くなる11月ごろから1月にかけて患者数が急増しています。今年も決して油断はできません。今年の9月に入ってからの患者数減少の一因として、ワクチン接種が進んだこともあると思います。ワクチンは有効です。発症率や重症化率を減らすことは間違いありません。しかしながら、感染を完全に防ぐわけではなく、人にうつす可能性は残り、コロナ収束に向かうためには、やはり多くの方がワクチン接種を受け、地域全体で感染者の発生を減らすしかありません。このまま感染が収束に向かうよう、引き続き地域の皆様の感染対策に対するご協力をお願いいたします。

令和3年8月のお知らせ

放送日:令和3年8月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は現在のコロナウィルス蔓延状況についてお話します。
 東京都では、緊急事態宣言が出された後も感染者が増え続け、それに伴い重傷患者も増加し、若年者の死亡例も報告されています。静岡県も蔓延防止重点措置の適用地域に指定され、県独自の警戒レベルでは、最も高いレベル6、厳重警戒レベルとなり、不要不急の外出は控えるよう求められています。実際に今月に入ってからは、この中東遠圏域でも急速に感染が拡大してきており、これまでにない数の感染者数が連日報告されています。地域の皆様には今一度危機意識を高めていただきたいと思います。
 感染が急速に広がっている背景には、感染力が強い変異株であるデルタ株が広がっていることがあります。首都圏では、現在感染者の95%がデルタ株によるものとされ、関西でも80%以上を占めていると推定されています。静岡県でも、7月末時点で40%と報告され、現在はさらに拡大しているものと推測されます。
 ウィルスは人から人へ感染し、増殖を繰り返すことで変異を起こしてきます。変異によってより感染力が強いウィルスが生まれてくる可能性があり、場合によってはワクチンの効果も減弱する可能性もあります。今のところ、ファイザー社とモデルナ社のワクチンはデルタ株にも有効であると思われ、現在ワクチン接種が進んだ高齢者の感染者数は低く抑えられています。問題はワクチン接種が進んでいない若年層で感染が広がっていることです。デルタ株は、爆発的に感染者が増加したインドから広がったものです。新たな変異株の発生を防ぐには、感染を拡大させないようにするしかありません。ウィルスは人の体内でのみ増殖していきます。したがって、感染拡大を防ぐには、人と人の接触を断つしかありません。しかしながら、現在の国内の状況をみると、感染対策が長期化したことにより人々の気のゆるみもあるように思われます。3つの密が重ならなければよいというわけではなく、1つの密であってもうつる可能性はあります。実際屋外のバーベキューでもクラスターが発生しています。現在高齢者のワクチン接種がほぼ完了し、順次若い世代への接種が始まっている今だからこそ、もう一度気を引き締めなければならない時です。
 ワクチンを打った方であっても感染する可能性はゼロではなく、ウィルスを媒介することもあり、引き続き感染対策は継続しなければなりません。ワクチンについては、インターネット上で様々な情報がとびかっていますが、コロナ収束に向かうためには、やはり多くの人々がワクチン接種を行うことしかありません。正しい情報に基づいて適切に判断していただきたいと思います。あらためて、なお一層の地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和3年7月のお知らせ

放送日:令和3年7月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、引き続き森町のコロナ対策と地域医療についてお話します。
 コロナ感染対策については、日頃の地域の皆様のご協力に心から感謝申し上げます。森町では、ワクチン接種も順調に進み、一部の方を除いて、高齢者の2回接種も、今月中にほぼ終了する予定です。その後は、64歳以下の町民を対象に、順次接種を進めていく方針です。ワクチン接種を希望される方は、町から接種券が送付された方から順次申し込みをお願いします。
 最近の県内のコロナ患者発生状況は、一時期のピークは越えたものの、下げ止まりの状況が続いています。7月13日の感染者数は44名で、病床占有率は、東部19%、中部15.2%、西部20.1%と、依然西部地区が最も多くなっており、森町でも引き続き注意が必要です。コロナワクチンを接種することによって、発症率は低下しますが、感染の媒介者となる可能性は残るため、集団免疫が獲得され、収束傾向に向かうまでは、引き続き感染対策が必要であることをご理解ください。
 今回のコロナ問題からわかるように、医療とは人々の生活を支える地域の共有財産です。そしてこの共有財産を守るためには、地域の人々全員の協力が必要です。感染症は、ひとたび蔓延するとコントロールが難しくなります。いかに蔓延させないかは、医療従事者や保健所、行政など、専門職の力だけではどうにもなりません。地域の皆さん全員の協力が必要になります。何事も早期発見早期対応が大切です。
 現在、この地域の病床も少し落ち着いていますが、また再び感染拡大が起こり病床がひっ迫すると、医療機能が麻痺し、通常の医療も提供できなくなることも予想されます。そうなると助かる命も助からないことになり、不利益を被るのも地域で生活している人々です。地域の共有財産を、みんなの力で守っていこうということは、医療に限らず大切であることを、このコロナ禍が教えてくれているのかもしれません。
幸いにして、この地域では各市町の公立病院同士が協力し、それぞれの役割を果たしています。コロナの治療は、主として磐田市立総合病院と中東遠総合医療センターが担い、当院は、治療後の回復期患者のリハビリテーションを担当しています。これまで当院が受け入れた患者は、全例それぞれの生活の場に復帰しています。このように、医療もまた、連携してこそ機能します。
 この地域では、各市町に医療を支える住民の会も発足しています。このように、それぞれがそれぞれの役割を果たすことで、みんなの共有財産である地域を守っていこうという取り組みが、コロナ後の世界にはより大切になってくるのかもしれません。引き続き地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和3年6月のお知らせ

放送日:令和3年6月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、森町のコロナワクチン接種状況についてお話します。
 森町では、現在高齢者を対象に、新型コロナウィルスのワクチン接種を行っています。週1回で予定していた集団接種を、土日の週2回に増やしたことで、7月中には高齢者接種が終了する予定です。まだ予約できていない方は、掛川市の施設で行う大規模接種会場で行うことになります。その予約も町で受け付けていますので、希望される方は、保健福祉課にお問い合わせください。8月以降は一般の方の接種が順次始まります。まずは60歳から64歳の方が優先されますが、59歳以下でも基礎疾患のある方は優先されます。町からの情報提供に注意してください。
 介護施設の入居者、訪問診療の対象者など、集団接種の会場に出向くことができない方などに対しても、施設や自宅を訪問する形で順次接種を行っています。6月13日までに医療従事者も含め4196人の方に接種を行い、そのうち1655人が2回目の接種を終了しています。ワクチンの副反応については、一人に軽いアレルギー症状がみられたもののその他重大な副作用はみられていません。注射部位の痛みや発熱、倦怠感などの症状は比較的多くみられていますが、ほとんど数日で改善しています。1回目より2回目の接種の方が、副反応が多いようです。副反応が出ても必ずしも医療機関を受診する必要はありません。数日で改善しますので、つらい場合は、市販の解熱鎮痛薬等を服用して様子を見てください。呼吸困難や意識レベルの低下、腹痛、嘔吐などの強い症状がみられる場合などは、医療機関にご相談ください。
 今のところ、森町のワクチン接種は順調に進んでいますが、今後さらに1日の接種人数も増えてきます。必要に応じて当院からの派遣医師も増員し対応していく予定です。引き続き地域の皆様のご協力をお願いいたします。森町では、混乱を避けるため、1回目の接種は右腕に、2回目の接種は左腕に行っています。いわゆる血液さらさらの薬を内服している方は、注射部位を2分間抑えてもらうようにしていますので、問診票に忘れずに記載してください。また、ワクチン接種後、会場で通常は15分の経過観察、問診の医師が必要と判断した場合は30分の経過観察を行います。たまに問診票の書き間違いがみられます。事前に注意書きなどをよく読んで、間違いのないように記載をお願いします。万が一アナフィラキシーが発生した場合は、現場で緊急処置を行いながら、森町病院に救急搬送します。必要に応じて経過観察入院となることもあります。幸いにして、これまで森町ではそのような方は一人も発生していません。いずれにせよ、より多くの人にワクチン接種がいきわたることが、コロナ収束への唯一の道であると思われます。皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。

令和3年5月のお知らせ

放送日:令和3年5月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、現在の新型コロナ感染発生状況についてお話します。
 5月13日静岡県内の新型コロナウィルス新規感染者数は122人にとなり、特に西部で感染が拡大しています。今月になってから、当院で行っているPCR検査でも連日新規感染者が見つかり、感染が広がってきていることを実感しています。当圏域を管轄する西部保健所管内では、過去最高の感染者数が報告され、現在この圏域は、非常に危険な状態にあると言わざるを得ません。最近の感染者の増加は、大型連休による人々の移動と同時に、イギリス型の変異株が広がってきたことが原因であると思われます。変異株は、従来型のウィルスに比べ感染力が強く、重症化しやすいと言われています。実際に変異株が拡大した大阪などでは、基礎疾患のない若年者の重症化例や死亡例も報告されています。静岡県内でも、現在コロナウィルス感染者の8割以上が変異株によるものと言われています。家族内感染も起こりやすく、連休後の感染者拡大のため、現在中東遠地域でも病床がひっ迫してきています。このまま感染者の増加が続くと、医療崩壊にもつながりかねません。コロナ対応が長期化し、人々の心も緩みがちではあると思いますが、ワクチン接種が始まった今だからこそ、一人一人が感染対策を見直すことが必要です。
 ワクチンについては、国内でもその有効性が報告されています。横浜市立大学の研究グループによると、ワクチン2回接種を行った場合、中和抗体が作られる人の割合は、従来型で99%、イギリス株で94%、南アフリカ株で90%、ブラジル株で94%、インド株で97%、とされ、多くの変異株に対してもワクチンが有効であることが示されました。森町では、4月19日から医療従事者を対象に、4月25日から高齢者を対象にワクチン接種が始まりましたが、今のところ重大な副反応は見られていません。先月の同報無線でもお話ししましたが、多くの人にワクチン接種がいきわたり、集団免疫を獲得することが、唯一のコロナ終息に向かう道であると思われます。現在、ワクチン接種については、電話がつながらず予約がなかなか取れないとか、インターネットは高齢者には難しいとの声が多く聞かれます。国は高齢者全員に必要なワクチンを確保することを約束しています。慌てずに順番が来たら接種するようにしてください。また、インターネットが苦手な方は、若い人の力を借りることも一つの方法です。遠くからでも支援することができるのもインターネットの特徴のひとつです。例えば、アメリカにいる娘さんが予約を取ってくれたという方もいます。コロナに立ち向かうためには、世代を超えた協力も必要になります。今こそ、若い世代の方も高齢の方も力をあわせ、コロナに立ち向かう時です。引き続き皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和3年4月のお知らせ

放送日:令和3年4月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、新型コロナウィルスワクチンについてお話します。
 森町では、4月19日から医療従事者を対象に、4月25日から町内の65歳以上の高齢者を対象にワクチン接種が始まります。県内の市町によって、接種開始時期が異なるのは、感染者の多い地域が優先されたためであると思われます。ワクチンについては、多くの患者さんからご質問をいただいていますので、今回の同報無線を通じて、現在わかっていることについてお知らせしたいと思います。
 コロナワクチンは世界中ですでに1億人以上の人が接種しています。海外のデータによると、ワクチン接種の感染予防効果は95%と、その有効性は高く、すでにワクチン接種が進んだ国では、感染者数の激減がみられています。現在日本では、大阪を中心に感染者の増加がみられ、これまでのような行動制限を繰り返すだけでは、収束は困難と思われます。したがって、ワクチン接種が、今のところ唯一のコロナ収束に向かう有効な方法であると思われます。
 今回のワクチンは、1回目の接種から3週間後に2回目の接種を行うことになります。ワクチンは、人の免疫能を刺激する方法であるため、何らかの副反応が、一定の確率で発生することは避けられません。厚生労働省の発表によると、国内では4月9日までに、約49万人が2回目の接種を終えています。重篤なアレルギー反応とされるアナフィラキシーは79例報告され、いずれも現場での適切な対応で回復しています。比較的多くみられる副反応は、接種部位の痛みや腫れ、全身反応として、頭痛、発熱、倦怠感などがあり、いずれも接種翌日が最も多く、ほとんどが数日で回復しています。1回目の接種より2回目の接種の方が、副反応が多く見られ、2回目の接種を受けた人の約2割に38度以上の発熱や倦怠感がみられたとされています。ただし、副反応は高齢者より若者の方が強く、また、男性よりも女性の方が多い傾向にあります。女性に多く副反応がでるのは、ワクチンに含まれるポリエチレングリコールが化粧品にも含まれ、日頃から化粧品を多く使っている女性に多く出る可能性が指摘されています。先行接種した医療従事者は、看護師など若い女性が多く、高齢者では副反応が少ないため、今後高齢者のワクチン接種が進めば、全体として副反応の発生率が下がる可能性もあります。
 ワクチン接種で注意が必要なのは、これまでにアナフィラキシーを起こしたことがある人です。アナフィラキシーも、接種後30分以内に起こることが多く、そのため、ワクチンを接種した直後は、15分から30分の経過観察が必要となります。待機場所で多くの人が密とならないよう、会場によって対象者の人数制限が必要になります。そのため、ワクチン接種には事前の予約が必要です。ワクチンを接種することによって、個人の感染のリスクは低下しますが、感染を媒介する可能性はあります。したがって、ワクチン接種が進んで、全体の感染が下火になるまでは、これまで通りの感染予防策が必要です。
 ワクチンによるコロナ収束の希望が見えてきた今、油断をせず、もう少しの辛抱が必要な時ではないでしょうか。ワクチン接種について質問がある方は、前もってかかりつけ医等に相談してください。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。