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【平成29年度】同報無線による森町病院からのお知らせ


平成30年3月のお知らせ

放送日:平成30年3月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は救急受診についてと来年度の外来の体制についてお話します。
 先月の同胞無線でも、当院の救急受診について、できるだけ深夜帯は緊急性のない受診は避けていただくようご協力をお願いしたところです。今年の冬はインフルエンザが大変流行しましたが、それにもかかわらず、今年の1月2月の当院の深夜帯救急受診数は過去5年の平均と比べて13%ほど減少しました。皆様のご協力に心より感謝申し上げます。
 深夜帯の救急受診でよくあるのが、昼間他院を受診して薬を処方されたが熱が下がらないとか、薬を飲んだにも関わらず夜になって再び熱が出たというようなことで深夜にもかかわらず受診する例です。風邪をはじめとしたウィルス感染症は薬をのんだらすぐに治るというものではなく、基本的にはご自身の免疫力によって治癒します。したがってある程度の時間が必要です。薬は症状を緩和するためのものであり、夜間は免疫力を高めるためしっかり睡眠時間をとることをお勧めします。インフルエンザに対しては抗ウィルス薬が開発されていますが、一刻を争って飲まなければならないというものではありません。むしろ初期にはインフルエンザの反応が出ないことも多く、正確な診断をつけるのが難しいため、日中の通常業務時間内に受診していただいた方がよいと思われます。翌日仕事に行きたいから夜中に薬を出してほしいというのは論外で、インフルエンザであった場合は、仮に熱が下がったとしても発症から5日以上経過し、37度以下に解熱している状態が少なくとも48時間以上経過していなければ人にうつす可能性があり、人前に出ることは避けなければなりません。
 一方夜間でも緊急を要する疾患には、脳卒中や急性心不全、腹膜炎や急性呼吸不全などがあります。意識障害や手足の麻痺、うまくしゃべれないなどの症状が急に起こった場合や、冷や汗が出るような胸痛、激しい腹痛が持続する場合、呼吸がうまくできないなどの場合は、救急車を呼ぶか、深夜帯で迷う場合は当院に電話で相談してください。
 次に来年度の外来診療についてです。当院では平成25年度から浜松医大からの派遣による眼科外来が停止していましたが、本年4月から毎週月曜日の午後に浜松医大の派遣が再開することになりました。この間やまなしクリニックの家田医師の協力によって支えられてきた月1回の木曜日の眼科外来も継続する予定です。また耳鼻科の診療については、毎週月曜と火曜日の午前中に行っていますが、それ以外にも第2、第4水曜日の午後にも外来診療を行っています。当院のホームページも見やすくリニューアルしましたのでぜひ参考にしてください。今年度の皆様のご協力には心から感謝申し上げます。来年度も当院へのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

平成30年2月のお知らせ

放送日:平成30年2月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、当院の救急業務についてお話します。
 当院はこれまで、地域の安心安全を守るため、救急医療を当院の重要な役割と位置づけ、時間外の患者も受け入れてまいりました。平成28年度の救急患者数は年間4871人で、救急車の受入件数は619件であり、森町の救急患者の85.5%が当院を受診しています。平成19年度から10年間、この比率はほぼ変わっていません。平成19年の救急患者数は6342人であり、10年間で1500人ほど年間の救急患者数は減少していますが、その内訳をみると、小児科と整形外科の患者が減少しているのに対し、内科と外科の患者数はほとんど変わっていません。科別の比率をみると、平成19年度は小児科が38.3%と最も多く、内科は33.6%でしたが、平成28年度は内科が42.4%と最も多くなり、小児科は26.7%と年々減少してきています。このことは、森町で後期高齢者数が増加するのに対し、少子化が進んでいることとも関係しているものと思われますが、また子育て世代の親の間に適切な救急受診に対する知識が広がってきたことも一因と思われます。
 当院はこれまで、日ごろからかかりつけ医を持ち、夜間のコンビニ受診は控えるように呼び掛けてまいりました。このことは地域の救急医療体制を維持するためにも極めて重要な点であります。当院の常勤医師は10人で、その平均年齢は47.6歳です。したがって50歳を超えても当直をこなさなければならない状況があります。家庭医も当直に参加することでこれまで何とか当直体制を維持してまいりましたが、今後はいかに医師の負担を軽減するかが、当院にとって極めて重要な課題となっています。
 現在国は、国民の働き方改革を進めようとしていますが、医師の業務の特殊性から、その施行は一般企業よりも3年遅らせることになっています。しかしながら医師も例外ではなく勤務時間に上限規制を設けようという議論が進んでいます。本来当直業務というのは、病院内で突発的な事態が生じたときに対応するために置かれているもので、救急患者の対応が常態化すると当直業務とは認められず、通常の勤務時間とみなされます。勤務時間終了後の17時から翌朝までの16時間を勤務時間とすると、容易に勤務時間の上限規制を超える可能性が高くなります。当院では一人の医師が当直業務を行っており、夜間の睡眠がとれなければ医師の健康を維持することも難しくなります。このことから、せめて夜の10時から翌朝までは、当直医の睡眠時間を確保するためにも、よほどの緊急事態以外は受診を控えるよう昨年から呼び掛けてまいりました。病状に不安がある場合は、まずは病院に電話で問い合わせるようにしてください。夜間は当直看護師がまずはご相談に対応します。
 今後も森町の救急医療体制を維持するために、皆様のご理解とご協力をお願いします。

平成29年12月のお知らせ

放送日:平成29年12月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、骨粗鬆症についてお話します。
 骨粗鬆症とは、骨の密度が低下し構造が変化することで、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症による骨折は、脊椎の圧迫骨折や足の付け根の骨折、手首の骨折などが多く、骨折することで身体機能が低下し、要介護状態の原因にもなります。要介護認定の原因疾患としては、脳血管疾患、認知症、高齢による衰弱に次いで転倒・骨折が4番目に多くなっています。また骨折の有無にかかわらず、骨粗鬆症が進行することで長期的には死亡リスクが増大することも知られています。
 我が国の骨粗鬆症の患者数は1280万人で、いずれの年代でも女性に多い疾患ですが、高齢になればなるほど男性も女性もその有病率は増えてきます。特に閉経後の女性の有病率は高く、このことは女性ホルモンの低下によって骨の形成よりも吸収が亢進することが関係しています。その他遺伝的素因や生活習慣、糖尿病や呼吸器疾患、薬剤やストレスなども骨粗鬆症の発生に関係してきます。急な骨折を合併した場合は、当然痛みがあり治療を必要としますが、痛みがなくても少しずつ背骨の圧迫骨折が進行している場合もあります。若い頃と比べて、身長が4㎝以上低くなった方や、背中が丸まってまっすぐ壁の前に立っても背中と壁の間に隙間ができてしまう方などは骨粗鬆症が進行している可能性があります。骨粗鬆症になると骨折以外にも、逆流性食道炎や便秘、痔なども合併しやすくなり、動脈硬化も進み、心肺機能や腎機能の低下もみられるようになります。
 骨粗鬆症は予防することが何よりも大切な病気であり、カルシウムやビタミンD、ビタミンKをとること、日常的に歩行などの運動を行うこと、痩せすぎないように適正な体重を保つこと、喫煙や過度の飲酒を避けることなどが注意点です。また最近は骨粗鬆症の治療薬も進歩し、各個人の状態に合わせた薬の選択肢も増えています。骨折を合併するなど症状が出てからでは、手術が必要になったり、完全に元に戻ることが難しくなったりすることが多く、したがって骨粗鬆症は早めに診断し、治療に取り掛かることが大切です。50歳をすぎたら一度は骨密度の測定を行うことをお勧めします。森町病院では「気になる検診メニュー」として骨密度の検診も受け付けています。関心のある方はぜひ検診科にお問い合わせください。また定期的に通院している方は、一度かかりつけ医に相談してみてはどうでしょうか。

平成29年9月のお知らせ

放送日:平成29年9月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日お伝えしたいことは二つです。
まず一つ目は、森町病院の防犯対策についてです。森町病院では、院内の安全確保のため、夜間帯における不審者の侵入防止や盗難などの犯罪 防止を目的として、防犯カメラや非常階段防犯扉、そして夜間救急入口へのインターホンを設置しました。院内では、現在24時間体制で病院玄関や廊下などで監視カメラ作動と録画を実施しています。また本年9月1日から、夜の10時から翌朝の5時30分までは、病院の出入口を全て施錠しています。夜間救急でご来院される患者さんは、夜間救急入口に設置されたインターホンで呼び出していただければ入口自動扉の施錠を解除します。また夜間は緊急時以外の受診をなるべく避けていただき、緊急で受診する場合は前もって病院へ電話で一報を入れていただいた方がよいかと思われます。入院患者さんや病院職員の安全確保のため、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
 二つ目のお知らせは、公立森町病院新病院開設20周年記念講演会についてです。当院は、平成9年に現在の場所に新築移転してから、今年で20年が経過しました。それを記念して、今年の11月23日、森町文化会館大ホールにて講演会を開催することになりました。講師は山梨県で在宅ホスピスケアを30年以上実践している内藤いずみ先生です。内藤いずみ先生は、イギリスで学んだホスピスケアを日本に紹介し、がんになっても高齢になっても幸せに生きぬくことができるよう、ホスピスケアの実践と啓発活動に献身してこられました。著書も多く、テレビ出演などでも大変ご活躍の先生です。
 これまで人々が病気と闘う医療の世界では、人の死は敗北と受け止められる風潮がありました。しかしながら、死は誰にでも必ず訪れます。果たして死は本当に敗北なのでしょうか。人生を生き抜いた人にとって、死は一つのゴールであり、ゴールに到達する姿は次の世代に何かを伝えていきます。そしてそのような最期を支えていくのも医療の大切な役割です。決して敗北でない死を迎えるために、人々は、そして我々医療者は何をなすべきか、超高齢化社会を迎え、亡くなる方も増えている今の時代、今回の講演会を通じて、人の死とは何か、人生とは何かを見つめなおすきっかけとなることを期待しています。入場無料ですので、ぜひ多くの皆様方のご参加をお願いいたします。

平成29年8月のお知らせ

放送日:平成29年8月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は「医療との関わり方」というテーマでお話ししたいと思います。
 日本人の平均寿命は男性80.75歳、女性86.99歳で毎年最高値を更新しています。一方高齢化が進むと何らかの健康問題を抱える人も増え、いわゆる健康寿命と平均寿命の差が男性で約9年、女性で約13年あります。病気にならずに過ごせる期間である健康寿命を延ばして、平均寿命との差をいかに縮めるかがこれからの日本にとって大きな課題です。病気には急性の病気、慢性の病気、廃用症候群と言われる加齢に伴う身体機能低下の3つに大きく分類されますが、急性の病気は早期の適切な治療により改善する可能性が高い反面、対応が遅れると何らかの重大な後遺症を残す可能性もあります。慢性の病気は症状がはっきりしないまま進行することが多く、完全には治癒しにくいため生活支援型の医療が必要になります。慢性の病気も急に悪化した場合は、急性の病気と同様に早期の適切な対応が求められます。したがって敷居の低い外来機能や救急医療体制が必要となります。しかしながら通常の診療時間以外の夜間や休日の当直体制は、あくまでも命にかかわるような緊急時に対応するための非常用医療体制です。簡単に言えば間に合わせの医療であり、当直医が必要と判断しない限り専門医を呼び出すことはありません。したがって緊急性がない場合は最低限の投薬や処置を行ったうえで再度通常の診療時間内に適切な診療科を受診していただくことになります。
 急性疾患は総人口の減少や予防医学の進歩で毎年減少する傾向にありますが、今後も高齢化とともに増え続けると思われるのが慢性疾患と廃用症候群です。どちらもまず予防することが大切で、そのためには悪くなってから医療機関にかかるのでなく、悪くならないように医療とうまく付き合っていくことが大切です。病状が悪化すればするほど医療費もかかり治癒が難しくなってきます。悪化してから受ける医療は決して健康寿命の延伸に寄与しません。健康寿命をのばすためには日頃からかかりつけ医を持ち、自分の健康状態を認識して、自ら健康管理に取り組むことが何よりも大切です。自分の体のことは自分が一番わかっているとか、薬さえ飲んでいればよいという勝手な自己判断は明らかに誤った考え方です。
 今年の市町別お達者度の発表では、森町の女性は昨年の2位から再び1位に返り咲きましたが、男性は昨年の2位から6位に転落してしまいました。必ずしも順位が問題ではありませんが、毎日を健康で楽しく過ごすためには、自分自身の日ごろの取り組みが何よりも大切であることをぜひともご理解いただきたいと思います。

平成29年6月のお知らせ

放送日:平成29年6月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、認知症についてのお話しをします。
 認知症とは、様々な原因により脳の機能が低下することによって、生活する上での何らかの支障が生じてくる状態のことを表します。そのような状態を表す言葉であり、原因はさまざまで、脳内の脊髄液の流れが悪くなって生ずる正常圧水頭症や頭蓋内に少しずつ血液がたまることによって発症する慢性硬膜下血腫などは、早期に診断し手術をすれば劇的に回復することもあり、認知症だからと言って治らないものと決めつけてはいけません。まずは正しい診断をつけることが大切です。正しい診断のためには、脳のCTやMRIなどの画像診断は必ず行う必要があります。また他の身体疾患を除外したり、薬や体の病気、あるいは環境の変化によっておこる軽い意識障害から発症する一時的なせん妄といわれる状態や、うつ病などの精神疾患を除外したりすることも必要です。薬によるせん妄の例として、睡眠薬の常用などで認知症のような症状が出ていた方が、薬を変更することによって完全に回復した事例などもあります。かかりつけ医がいる方は、まずはかかりつけ医によく相談してみてください。森町病院では専門医による物忘れ外来も開いており、初診の方も受け付けています。受診希望の方は一度森町病院にお問い合わせください。
 認知症の原因で最も多いアルツハイマー病は、発症すると緩やかに進行し、最終的には寝たきりとなる病気で、現在の医学で治すことは困難ですが、内服によって進行を遅らせることができる方もいらっしゃいます。またさまざまな専門職が関わることによって、たとえアルツハイマー病になっても、その人らしく、住み慣れた場所で生活し続けることも可能となります。誰に相談すればよいかわからないでお困りの方は、地域包括支援センターに相談してみてください。
 認知症は予防することが何よりも大切です。高血圧を管理することによって認知症発症率が低下したというデータは世界各国から報告されています。血圧の薬を飲み始めると一生飲み続けなければならないという明らかに間違った迷信が、いまだに森町の中でも聞かれます。薬に対して過度に恐れたり、逆に依存しすぎたりすることなく、適切に使用することが大切です。地域の皆様が、医療という仕組みを正しく使うことができるよう、これからも当院は正しい医療情報を発信し続けたいと考えています。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。