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【令和2年度】同報無線による森町病院からのお知らせ


令和3年3月のお知らせ

放送日:令和3年3月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、コロナウィルスワクチンと免疫についてお話します。
 コロナウィルス感染者の死亡率は、年代によって異なることが知られています。20代から40代までは0.1%、50代で0.3%、60代で1.2%、70代で5%、80代で12%、90代で16%と、年齢が上がるほど死亡率も上昇しています。重症化率も、同様に年齢が上がるほど高くなります。この点から、新型コロナウィルスは、若年者にとっては、さほど恐れることはないウィルスですが、高齢者にとっては、極めて危険なウィルスということになります。高齢化の進んだ森町では特に、若年者の感染予防策も重要となります。
 このような年齢による差がなぜ生じるかというと、加齢とともに人の免疫機能が低下するためだと言われています。免疫には、自然免疫と獲得免疫があります。自然免疫とは、人が生まれながらにしてそなえている免疫の仕組みで、体内に侵入した異物を認識し、排除するものです。一方獲得免疫とは、一度感染した病原体の情報を記憶し、抗体などを産生することで、いち早く病原体を死滅させる仕組みです。ワクチンは、病原性のないウィルス抗原を注射することによって抗体を産生させる獲得免疫を利用した方法です。
 自然免疫は、年齢とともにその働きが弱くなることが知られていますが、それを補っているのが獲得免疫です。高齢者が重症化しやすいのは、自然免疫の防御をすり抜けたウィルスが体内で増殖し、血栓症を合併するなど全身的な反応を引き起こすためと言われています。同様に高齢者でなくても、慢性腎臓病や呼吸器疾患、糖尿病などの基礎疾患を持った方は免疫能が低下し、重症化する可能性が高くなります。特に注意が必要なのは糖尿病です。国民の4人に一人が糖尿病かその予備軍と言われ、日本人にとっては身近な病気です。自覚症状が少なく、尿や血液の検査を行わなわなければ気づきにくいのも特徴です。現在は治療も進歩し、たとえ糖尿病でも日頃から良好に管理されている方は、過剰に恐れることはありません。一方コントロール不良の方はコロナウィルスに感染した場合に重症化する危険性が極めて高くなります。検診などで異常を指摘された方は、そのまま放置せず、ぜひとも医療機関を受診してください。
 命を守るために高齢者にワクチン接種を優先するのは理にかなっていますが、若年者も感染拡大を防ぐためにワクチン接種を受けることは有効であると思われます。医療従事者や介護施設職員は、高齢者と接触する機会が多く、国は優先的にワクチン接種を進め、その後一般の方に接種を行う計画を進めようとしています。しかしながら今のところ当院の職員も含め、いつから接種が開始されるかは決まっていません。町と協議を進めながら、いつ始まってもよいように準備だけは進めているところです。地域の皆さんも、ワクチン接種については、町から発信される情報に注意していてください。
 いずれにせよ、日頃から健康管理を行うことは大切です。健康やワクチンについて気になる方は、まずはかかりつけ医に相談してください。またかかりつけ医のない方は、当院に電話でご相談ください。今後も地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和3年2月のお知らせ

放送日:令和3年2月15日
担当者:院長 中村昌樹

 おはようございます。森町病院院長の名中村です。本日は、当院のコロナ感染対策についてお話します。
 今月の町長からのお話にあったように、当院は、2月1日付で、軽症のコロナ患者の入院を受け入れる体制を整備しました。それまでは、当院はコロナ患者の入院対応は行わず、感染が確認された場合は、磐田市立総合病院か中東遠総合医療センターに紹介する形をとってきました。しかしながら、1月の後半に、この中東遠地域でも、多くの感染者が発生したことで感染症病床がひっ迫し、入院は中等症以上の患者に限られ、軽症の患者が自宅療養を余儀なくされる状況となったためです。そのまま感染拡大が続くと、この中東遠地域でも医療崩壊となる恐れもあり、地域医療を守るために、当院でも軽症のコロナ患者を受け入れる必要があると判断しました。院内感染を防ぐために最も安全な方法として、回復期リハビリテーション病棟の機能を一時停止し、病棟単位での受け入れ体制としました。幸いにして、今月に入ってから感染もやや下火となり、感染症病床にも一時に比べ少し余裕ができたため、今のところ当院へのコロナ患者の入院は発生していません。また、森町内では、1月に少数の感染者の発生が報告されましたが、その後の感染拡大にはつながっていません。このことは、町民の皆様のご努力によるところが大きく、医療に携わる立場として、心から感謝申し上げます。しかしながら、感染拡大の速度が鈍化したとはいえ、その後も中東遠地域では継続的に感染者の発生が報告されています。当院の病棟機能を元に戻すかどうかの判断については、今後の経過を慎重に見ていく必要があると思われます。町民の皆様にも、引き続き感染予防に注意していただきたいと思います。
 今後、国は16歳以上の国民全員を対象としたワクチン接種の計画を進めています。海外と同様、日本人を対象とした治験でもワクチンの高い有効性が報告されました。多くの人々がワクチン接種を受けることで、コロナ終息に向かう可能性が高まります。ワクチン接種を受けるかどうかは、あくまで個人の判断にゆだねられますが、正しい情報に基づいて適切な判断をするようお願いします。
 コロナ感染は、たとえ軽症であっても、急速に状態が悪化する場合があります。特に基礎疾患がある方は、若年であっても注意が必要です。免疫力を高めることが、感染予防には重要になります。したがって、たとえ基礎疾患があったとしても、日ごろからしっかり管理することが大切です。悪くなってから医療にかかるのではなく、悪くならないよう医療と正しくつきあうことをお勧めします。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和3年1月のお知らせ

放送日:令和3年1月15日
担当者:院長 中村昌樹


 明けましておめでとうございます。森町病院院長の中村です。今年は丑年。牛歩のごとく、一歩一歩着実に、未来に向かって歩む年でありたいと願っています。
 現在、新型コロナウィルスの第3波の真っただ中にあります。全国的に、連日多数の感染者が報告されています。今回の感染拡大の特徴のひとつに、家庭内感染などで、高齢の患者が増加したことがあります。高齢の患者は、重症化しやすく、回復に時間がかかることで入院期間が長くなる傾向があります。そのことが、感染症病床ひっ迫の一因にもなっています。当院は現在、新型コロナウィルス感染者の入院治療は行っていませんが、今後は、感染の危険性がなくなった回復期の患者を受け入れていくことも必要になります。
 中東遠地域は、人口あたりの医師数が全国平均の6割ほどと少なく、医師少数区域に指定されています。すべての医療機関が、それぞれの役割を果たしてこそ、医療崩壊を防ぐことができます。その際に必要になるのが、地域の皆様のご理解とご協力です。医療機関同士は、互いに情報を共有し、院内感染を防ぐための最大限の努力をしています。一方感染した患者さんも、さまざまな心理的負担を抱いています。根拠のない情報に基づく風評被害は、患者さんやその家族を傷つけるだけでなく、医療そのものも機能不全に陥れる可能性もあります。今回のコロナ禍は、人類が初めて直面する危機であり、十分な情報がないことが、人々を不安にさせています。こんな時こそ正しい情報に基づいて、冷静に基本的な対応することが求められます。感染は、いつ誰に起こるかわかりません。明日は我が身という意識をもって、互いにうつさない、うつらない努力が必要です。
 森町は、幸いにして今のところ大きな感染拡大が起こっていません。しかしながら、今後町内に爆発的な感染拡大が起これば、当院も病院の機能を一部停止してコロナ患者を受け入れていかなければならないことも想定されます。そのような状況を防ぐためにも、引き続き地域の皆様のご協力をお願いします。
 病気も重症化すればするほど治療が困難となるように、感染対策も拡大すればするほど、コントロールが難しくなります。通常の病気と同様、早期発見、早期治療が大切であると同時に、特に感染対策については、3密を避ける、マスク着用、手洗いの励行など、予防対策が何よりも重要であることをご理解ください。
 森町は、自然が豊かで人々のつながりも強い町です。このような森町の強みを活かし、この危機を乗り越えていきたいと思います。地域とともに在る病院を目指す当院を、今年もよろしくお願いいたします。

令和2年12月のお知らせ

放送日:令和2年12月15日
担当者:臨床検査科


 臨床検査科 榛葉
「動きが見れる超音波検査 心エコー」
 公立森町病院の臨床検査科に所属しております科長の榛葉と申します。
 現在、新型コロナウイルスにより、呼吸器疾患や心疾患などの基礎疾患の有無が重要視されています。本日は心疾患の診断に必要不可欠な心臓超音波検査いわゆる「心エコー検査」についてお話させて頂きます。皆さん、絶えず働いている心臓の動きを実際にみることができる検査は、そう多くはありません。心臓超音波検査は、音波の中でも人間の耳には聞こえないくらいの高い周波数の超音波を利用して心臓の動きを見ることができる数少ない検査です。その超音波は人体に無害で、痛みを伴うこともありません。

「超音波検査でわかること」
 この検査で何がわかるのか、説明しましょう。
 まず一つ目に(1)心臓の大きさ、形、心臓の壁の厚さ、動きがわかります。心臓病の中には心臓のサイズが大きくなる場合、小さい場合などいろいろありますが、一般的には心臓が大きくなったときは心臓が弱っていることが多く、大きさを評価することは大変重要です。高血圧による心臓肥大を伴った状態や、心不全などがあげられます。心臓が弱ってくると、心臓の形もしだいにボールのように丸くなってくることも知られています。また、心臓の壁の厚さを調べることで、心肥大があるかどうかもわかるのです。
 それから、心臓の動き方が調べられるのも大切な点で、心筋梗塞の場合は、収縮運動をしない心筋の場所や範囲がわかりますし、さらに心臓全体の機能の良しあしも数字で客観的に評価することができます。
 二つ目に(2)血液の流れる速度、方向がわかります。血液の流れる速度や方向は、弁膜疾患の診断になくてはならない情報です。心臓は四つの小部屋からなり、正常な心臓では、この部屋の中を血液が一方向に流れています。血液が一方向に流れるように部屋と部屋の間に四つの扉(いわゆる心臓の弁)がついているのです。
 もし弁がうまく機能しなくなって血液が逆流する場合は「弁逆流」、弁が開きにくくなって血液がスムーズに流れなくなったときは 「弁狭窄」と診断します。このように弁がうまく機能しない病気を 「弁膜症」と呼んでいます。こうした弁疾患の重症度も評価することが可能です。
 さらに、生まれつき心臓の壁に孔があいているような病気。心房中隔欠損症や心室中隔欠損症などの場合も、そこを通る異常な血流を検出することによって診断できます。これは大人になってからわかる場合もあります。
 そして、今までお話ししてきた心臓の機能が何らかの原因でポンプ異常を起こした状態が心不全です。身体的な症状としては、最近息切れする。めまいや倦怠感。胸がドキドキする。痛みを伴う。痛みの場合は狭心症や心筋梗塞など疑います。
 また、症状は無い迄も、血圧が高め。喫煙の習慣がある。血縁に心臓疾患がある。健康診断において心電図異常を指摘された。等あれば、かかりつけの医師にご相談ください。
 最後に、当院は医院の紹介で検査をお受けしております。この機会にご自身の健康について考えてみては如何でしょうか。

令和2年11月のお知らせ

放送日:令和2年11月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、引き続き新型コロナウィルス感染症についてお話します。
 当院では、これまでも新型コロナウィルスのPCR検査を行ってきましたが、数名の陽性者は見られたものの、いずれも他の市町の居住者で、幸いにして、現在まで森町では感染者の発生は見られていません。このことは、町民の皆様一人一人が、感染対策に注意してきた結果であり、医療に従事する立場としては、皆様のご努力に対して心から感謝申し上げます(放送終了後、森町在住者1名の陽性が確認されました)。
 しかしながら、現在全国的にも再び感染者数の増加がみられており、第3波の始まりではないかと危惧されています。静岡県内でも10月末から感染者の増加が報告されています。森町でも、決して油断できない状況です。特に、これから寒い季節を迎えるにあたっては注意が必要です。暖かく湿度の高い時に比べて、寒くて乾燥状態の時には、ウィルスが環境中に長時間存在することが報告されています。したがって、4月から5月の第1波、7月から8月の第2波に比べて、これから冬に向けて第3波が訪れると、これまで以上の感染拡大が起こることが懸念されています。
 一方で、人々は日常生活を続けなければなりません。いかに、通常の生活と感染対策を両立させるかが課題となります。今回のウィルスについては、初期にはほとんど情報がなく、緊急事態宣言が出されるなど、まずは人々の接触を断つことが唯一の対策でした。その後次第にデータが蓄積され、完全に感染を封じ込めることはできないものの、ある程度の対策をとることによって、それなりに感染拡大を防ぐことができることもわかってきました。3蜜を避けること、不特定多数の集まりを避けることなどはやはり有効です。特に、マスクの着用については、有効性を示すデータが報告されています。お互いにマスクをつけることで、ウィルスの空気中への拡散と吸い込みの両方を抑えることが示され、また、たとえ感染したとしても、マスクを着けていた場合は、無症状ですむ人の割合が多くなることなどが報告されています。注意しなければならないのは、食事の時などマスクを外さなければならない時です。その場合は、人と向かい合うことを避ける、アクリル板や透明のカーテンなどで隔てるなどの対策が有効です。さらに換気や空気の流れにも注意が必要です。寒い季節になると換気の悪い狭い空間に人が集まる機会も多くなることが予想されます。感染者の増加傾向がみられる今こそ、さらなる注意が必要な時です。いずれにせよ、最新の情報に注意を払い、今できることをやることに尽きると思います。地域の安心安全を守るために、引き続き皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和2年10月のお知らせ

放送日:令和2年10月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。本日は、全世代型地域包括ケアシステムについてお話します。
 私は、森町病院が現在の地に新築移転した際に、外科部長として森町に赴任してまいりました。5年後に院長に就任しますが、それまでの5年間は、日々緊急手術に明け暮れていました。その頃は、重症化してからようやく受診する方が多かったのです。院長に就任してからは、日常的な健康管理にこそ重点を置くべきと考えました。重症化してからでは、治癒困難であったり、たとえ救命できても後遺症を残したりすることがあります。あるいは治療のために、生活を犠牲にしなければなりません。生活者である患者さんを支えるためには、何よりも早期発見、早期治療が重要であると考えて、様々な取り組みを行ってまいりました。そのような中で、地域の人々の健康に対する意識も向上し、しだいに重症患者も少なくなりました。今では緊急手術はほとんどありません。赴任当初と比べると見違えるような差です。それでも、まだ時々、手遅れになってから受診する方も見られます。
 当院では、たとえ介護が必要になっても、住み慣れた町で最期まで住み続けられるよう、介護との連携を進め、在宅医療を充実させてきました。そのような仕組みが、地域包括ケアシステムです。森町は、高齢者向けのシステムはかなり充実してきたのではないかと思います。現在、全国の在宅死亡率は12~3%ですが、森町病院の在宅死亡率は30~40%と極めて高い数字を示しています。しかしながら、高齢化してからの健康問題の多くは、もっと早くから医療が介入すれば、防げた可能性があります。その点から、これからの森町には、全世代対応の地域包括ケアシステムの構築が求められるのではないかと思います。特に働く世代、子育て世代への支援が必要と考えます。昨年、当院では初めて子育て支援のシンポジウムを行いました。その中で感じたことは、若い世代には、これまでの当院の取り組みが十分伝わっていないということでした。地域包括ケアシステムは、自助、互助を基本とし、我々専門職による共助や、行政等の公助は、それを支援する立場です。まずは、今自分ができることをやろうがあってこそ支援も可能となります。今こそ若い世代と協働して作り上げる医療が必要と思いました。
 今年は、新型コロナウィルスに振り回されていますが、そんな時こそ、普通の生活を継続することがいかに大切かを思い知らされます。生活者とは、子供から老人までさまざまな発達段階、健康レベルの人々を含みます。また、家庭とは、そのような人々の生活の基本的な場です。家庭医は、家庭の構成員すべてを対象とします。今後、特に若い世代、子育て世代、働く世代の健康づくりに、家庭医がお役に立てることを願っています。誰もが住みやすい森町の全世代型地域包括ケアシステムの構築に向けて、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和2年9月のお知らせ

放送日:令和2年9月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。本日は、当院のPCR検査についてお話します。
 当院は、本年5月に帰国者接触者外来を開設し、同時にコロナPCR検査の保健診療を開始しました。以後現在まで当院で行った対象者は、全例陰性でした。また幸いにして、森町内では、今のところコロナウィルスの陽性者は発生していません。地域の皆様のご努力とご協力に対し、心から感謝申し上げます。
 当初は、検査体制が不十分なこと、コロナウィルスのついての情報が不十分で、患者さんが殺到することや、検査を行っただけで人々が過剰な反応をすることなども心配され、当院がPCR検査に対応していることについて、基本的には一般への広報は控えてきました。しかしながら、その後情報が蓄積され、基本的な防御策を行うことで、感染をある程度予防できることもわかってきました。そのため、多くの人々が比較的冷静な対応をできるようになったことから、今回この同報無線を通じて、広く町民の方に情報をいきわたらせるべきと判断しました。現在、静岡県内は警戒レベルが一段階引き下げられ、警戒レベル3となっています。しかしながら、散発的には、連日コロナ陽性者の発生が報告されているのも事実です。したがって、今後も、引き続き感染に注意しながら、日常生活を継続することが求められます。そのような状況において、今後は、コロナ検査が普通のこととして行われ、多くの人が必要な時に検査を受けられるようにしなければなりません。結果が陰性の場合は他の疾患も想定し、適切な対応を行うことが必要です。また、陽性であれば、早期に対応することで、重症化と感染拡大を防ぐことが重要となります。基本的には、医師が必要と判断された場合には保険が適用されます。また、当院は、保険診療とは別に、仕事の関係で検査が必要な場合などは、自費によるPCR検査も受け付けています。詳細は当院のホームページをご覧ください。保険診療でも自費診療でも、希望する場合は、まずは電話で当院にお問い合わせください。これは、院内感染を防ぐためには極めて重要なことです。
 PCR検査について注意していただきたいのは、結果が陰性であっても100%感染がないとは言いきれないこと、またその時点での陰性を示しているにすぎないので、その後で感染することもあり得ることを理解してください。したがって、自費の検査も、イベントにどうしても参加しなければならない時など、検査の目的を明確にすることが大切です。一度陰性が確認された後も、自分がかからない、人に移さないための対策は継続しなければなりません。感染予防は、個人の努力だけでは達成できず、地域みんなの協力が必要です。感染した場合も、決して個人の責任とは言えません。そのことを十分ご理解いただいたうえで、今後も引き続き皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和2年8月のお知らせ

放送日:令和2年8月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。本日は、熱中症とコロナ対策についてお話します。
 連日猛暑日が続き、熱中症対策が大切な時期です。同時に今年は新型コロナウィルス対策にも気を付けなければなりません。先月末に浜松市でクラスターが発生し、県内の警戒レベルが上がったことから、当院でも7月30日から病棟での面会制限を再開しました。患者さんやご家族の皆様には大変ご迷惑をおかけしていますが、感染拡大を予防する観点から、ぜひともご理解とご協力をお願いいたします。
 コロナ感染対策としては、まずはマスクの着用と手洗が基本です。しかしながら、それだけでは感染を完全に防ぐことはできません。それというのも、人の会話や咳で飛び散るのは、飛沫と言われる比較的大きめの粒子だけでなく、エアロゾルと言われる、さらに細かい粒子が含まれるためです。飛沫は重力で地面に落下するため、人と人が2mほどの距離を開ければ、かなり感染を防ぐことができます。しかしながらエアロゾルは、換気の悪い部屋の中では長時間空気中に漂い、それを人が吸い込むことによって感染がおこる可能性があります。そこで、いわゆる3密を防ぐことが重要になります。3密とは、密閉、密集、密接を表します。密閉というのは、換気の悪い空間を表し、特にエアロゾルによる感染を防ぐためには、密閉を避けることが重要です。そのためには、部屋のドアを開放したり、扇風機などを利用して風の流れを作り、こまめに喚起したりする必要があります。クーラーをかけた部屋は、密閉空間になりがちです。自分一人だけで過ごす部屋では問題になりませんが、人が集まったり出入りしたりするような部屋では、定期的に換気することが必要になります。
 コロナウィルスは、感染しても無症状である人も多く、現在だれが感染しているかわからない状況です。人と会うときはお互いにマスクをするようにしましょう。ただし、人との接触がない状況では常にマスクを着けている必要はありません。特にこの時期は、マスクをすることで体内に熱がこもりやすくなることにも注意する必要があります。熱中症の初期には、だるい、めまいや吐き気がするといった症状がみられ、さらに進むとけいれんや、意識消失がおこり、放置すると命取りになる可能性もあります。最近は、コロナ感染を恐れるあまり、病院受診を控え、重症化してからようやく受診する患者さんも見受けられます。病院は、様々な感染予防策をとっています。無理をせず、心配な方は早めに受診していただきたいと思います。熱中症もコロナ対策も、過度に恐れず、バランスの取れた正しい対応をすることが重要です。ご自分の健康を守り、この暑い夏を乗り切るためには、医療と上手に付き合うことも大切です。皆様のご理解とご協力をお願いします。

令和2年7月のお知らせ

放送日:令和2年7月15日
担当者:看護外来 療養指導担当


 森町住民の特定検診結果では、糖尿病予備軍、糖尿病有病者が平均よりも多いと報告がありました。そのため今日は、糖尿病予備軍について話したいと思います。「糖尿病予備軍」とは、糖尿病と診断されないものの、血糖値が高めであるため、次第に糖尿病へと移行していく可能性が高い人の事です。しかし、生活習慣を見直し、食生活の改善や運動に取り組むと、糖尿病の発症率がぐっと抑えられることが、研究で明らかになっています。もちろん、すでに糖尿病にかかっている人も、その進行を食い止め改善することが可能です。
 糖尿病発症の予防と治療には、食生活の改善と運動習慣がとても重要です。進行した糖尿病では、薬物療法やインスリンを注射する方法が使われますが、基本となるのはあくまでも食事と運動になります。
 糖尿病を防ぐ食事は糖尿病だからといって、食べてはいけないものはありません。栄養が偏らないように、バランスよくいろいろな食材を食べましょう。注意しなければならないのは、食べすぎです。食べすぎを防ぐ工夫を考え、簡単なことから実行してみましょう。
 例えば、食事はゆっくりよく噛んで食べる、腹八分目を心がける、毎日決まった時間に食事をするとリズムができて食事の量も一定になる、大皿盛りにせず一人分を取り分ける、間食はしない、果物などは食後のデザートにする、夜食は食べない、外食はエネルギーが高めなので健康のためには残すことも仕方ない、和食中心のメニューを増やす。野菜をとり食物繊維を増やす、野菜から食べる、脂肪をとりすぎないなどです。
 運動は、糖尿病の進行を抑え、合併症を防ぐのに大きな効果があります。身体を動かすことで血液の循環がよくなり、筋肉に糖分がよく取り込まれるようになって、血糖値が低くなります。苦しいほどの強い運動はあまりよくありませんがウォーキングや体操などの軽い運動を、20~30分以上続けると効果的です。とくに食後の2時間程度は、血糖が高くなっているため糖分をエネルギーとして消費しやすくなっています。できれば毎日、少なくとも2日に1日以上は運動できるよう心がけましよう。
 楽しく、簡単に続けられる運動を選ぶことが大切です。テレビ体操やラジオ体操など雨の日でも家のなかでできることをする。日頃から、立って動いている時間を長くする。こまめに家事をする。階段を使い、あえて遠くの駐車場に止め活動量を増やすなどできる事の工夫をしましょう。
 血糖値が高くなると、肥満や高血圧、高脂血症を引き起こしやすくなります。尿病予備群では症状がないから体はなんともないと思いがちですが急に血糖が高くなるわけでなく時間をかけ血糖値が上がる為少しずつ血管の動脈硬化が進んでいます。そのため、予備群でも心筋梗塞や脳梗塞などになりやすいといわれているので注意が必要です。ですから定期的に特定検診を受け異常がないかチェックし、生活改善に繋げましょう。

令和2年6月のお知らせ

放送日:令和2年6月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。本日は、引き続きコロナウィルス対策についてお話します。
静岡県は、5月25日に緊急事態宣言が解除され、人々の生活も日常を取り戻しつつあります。しかしながら、いまだに全国各地で連日感染者が発生し、県内でも散発的に感染者の発生が報告されています。したがって、決して油断のできる状態ではありません。幸いにして、中東遠圏域では、その後の感染者の発生はなく、感染症指定病院も含めて現在コロナウィルス感染症で入院している方はいません。ですが、緊急事態宣言が解除されたことで通常の経済活動も再開し、人々の往来も盛んになることから、この圏域でも再び感染が発生する可能性は常にあります。とはいえ、私たちは通常の生活を継続しなければなりません。今回の問題は、感染対策をとるか、日常生活をとるかという二者択一の問題ではありません。どちらも成り立つようバランスをとることが求められます。
 緊急事態とは、通常の生活を犠牲にしなければならないような、生活者である人々にとってまさに非常事態です。現在は、緊急事態が解除されたとはいえ、感染の危険が完全に消えたわけではありません。生活を続ける中でも常に対策を怠らないことが求められます。すなわち、再び緊急事態になることをいかに防ぐかが最も重要です。そのためには様々な工夫が必要となります。
 そもそも、人々の生活とは、常に危険と隣り合わせであることに気づかなければなりません。日常生活の中では、危険を減らすための様々な対策が取られています。それでも油断すると思わぬ事故や災害が起こり得ます。病気やけがは、それを負った人にとっては、日常生活を継続することができなくなる、まさに緊急事態です。時に治療のために生活を犠牲にして、入院という形で生活の場そのものを病院に移さなければなりません。入院治療の目的は、患者さんを常に本来の生活の場に復帰させることです。より望ましいのは、そのような緊急事態に陥ることを防ぐことです。以前からこの同報無線を通してお話してきましたが、これからの医療は病気を悪くしないことが求められます。そのことで、人々の生活を継続させることこそが医療費の有効な使い方になります。
 今回の感染症との戦いは、我々に様々な課題を突き付けています。その一つは、感染症というのは、自分さえ気を付ければよいというものではなく、みんなで協力しなければ解決できない問題であるということです。生活の中での危険を減らすためには、今できることをみんなで怠らずにやり続けることです。具体的には、手洗い、うがい、マスクの着用、社会的距離を保つ、3つの密を避けるなど、緊急事態が解除された今だからこそ、生活の中でできる限り継続することが重要となります。引き続き皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。

令和2年5月のお知らせ

放送日:令和2年5月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。本日は、引き続き、新型コロナウィルスへの対応と、医療との関わり方についてお話します。
 現在、全国を対象とした緊急事態宣言は今月末まで延長され、引き続き自粛が養成されている状況です。今のところ、幸いにして森町では新型コロナウィルスの感染者は発生していません。また、県内の感染者も今月2日以後発生しておらず、緊急事態宣言に伴う自粛の効果がそれなりに出ているものと思われます。しかしながら、ひとたび気を緩めると、再び感染の拡大が起こることは十分あり得ます。
 当院のような小さな病院では、病棟単位で感染者を隔離することは困難なため、ひとたび院内で感染者が発生すると、一気に感染が広がる可能性があります。実際に全国では多くの院内感染が発生しています。また、入院患者は高齢者が多く、院内で感染が広がると、直ちに生命の危機にさらされます。そのことから、当院ではいかに院内に感染を持ち込まないかが最優先課題となります。そのため、現在入院患者への面会は制限させていただいています。皆様のご協力には大変感謝しています。感染を防ぐためにはやむを得ないことと考えていますが、治療のためにやむを得ず一時的に生活の場を病棟に移している入院患者さんには、ご家族と面会できないことは大きなストレスになると思います。また、ご家族の方も、患者さんの顔を見られないことは、心配なこともあるのではないかと思います。そこで当院では、直接病棟に来られないご家族の方が、別室でテレビ電話システムを利用して患者さんとお話ができるようなサービスを提供します。ご希望の方はお申し出ください。
 今回の危機に関しては、多くの皆様から応援の声をいただき心から感謝しています。また、町内のいろいろな企業や個人からも防護服やマスクをご寄付いただいたり、ボランティアの方々から手作りマスクを提供していただいたりしています。重ねて感謝申し上げます。これらは、有効に使わせていただきます。このような地域ぐるみの力が、地域医療を支えています。先日国内でも重症のコロナウィルス感染者に対し、レムデシベルの使用が認可されました。しかしながら、確実な効果が期待できるものではありません。したがって、コロナ対策としてはやはり、まずは感染しないこと、感染させないことが重要です。先月お話ししたように、ウィルスは人を介して拡大していきます。したがって、なるべく人との接触は避け、社会的距離を保つこと、マスクを着用すること、手洗いうがいを心掛けることなど、だれもができることを、一人一人が行うことが一番の対策となります。
このように、医療とはもともと専門職の努力だけで成り立つものではありません。ひとたび重症化した場合は、患者さんも多くの犠牲を払うことになり、専門職の過剰労働にもつながります。また経済的にも大きな負担となります。地域医療は、住民、行政、専門職がそれぞれやるべきことをやって成り立ちます。森町の森という文字は、3つの木がバランスよく存在することで成り立ちます。この森という文字のように、これまで地域の皆様の力で森町の医療は成り立ってきました。森町の底力をフルに発揮して今回の危機を乗り越えていきたいと思います。引き続き皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

令和2年4月のお知らせ

放送日:令和2年4月15日
担当者:院長 中村昌樹


 おはようございます。本日は、先月に引き続き、新型コロナウィルスへの対応についてお話します。
 今月7日、安倍晋三首相は、新型コロナウィルスの急速な感染拡大を受け、緊急事態宣言を出しました。対象地域は、東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の都府県です。さらに愛知県や京都府も感染者が多く報告されています。これらの地域では、感染ルートが不明な例が多く、いつどこで感染するかがわからない状態です。静岡県については、4月13日時点で46名の感染者が報告されています。3月31日までに報告されたのは11名でしたが、4月に入ってからはすでに35名の感染者が報告されています。これら県内の感染例は、いずれも感染ルートが確認されています。最近の報告例の多くが、緊急事態宣言の対象地域に滞在歴がある人との接触者です。感染ルートが確認できているうちは、何とか感染拡大をコントロールできるかもしれませんが、それが確認できない状態になると、爆発的な感染拡大につながります。静岡県はまさにその瀬戸際にあると言わざるを得ません。この中東遠圏域は、県内でも最も人口当たり医師数や病床数が少ない圏域です。したがって、ひとたび爆発的な感染拡大が起これば、直ちに医療崩壊につながる可能性があります。それを防ぐためには、ぜひとも地域の皆様のご協力が必要です。
 ウィルスの特徴は、人などの宿主のなかでしか存在できないということです。環境中に長く存在することはできません。つまり、人に感染することによってのみウィルスは増えていきます。したがって、感染対策の基本は、感染者との接触を断つことです。しかしながら、今回の新型コロナウィルスのやっかいな点は、感染しても無症状な人がいるということです。人々の移動がある以上、いまやいつどこで感染が起こるかわからない状況です。したがって、症状がある無しに関わらず、不特定多数の人との接触を断つこと、出歩くときはマスクをすること、手洗いやうがいをすること、窓をあけるなど部屋の風通しをよくすることなど、一般的に言われていることを守っていただくことが何よりも大切です。また、現在感染が拡大している地域に出向くことは控えていただきたいと思います。もしもそのような地域に滞在した人との接触後に咳や発熱、味覚や嗅覚障害などが現れた場合は、帰国者接触者相談センターやかかりつけ医にまずは電話で相談してください。そして、その指示に従って冷静に対応してください。あわてて医療機関を受診することで感染を拡大しないよう気を付けていただきたいと思います。
当院では、現在緊急的な対応として、再診の患者さんは希望によって電話診察も受け付けています。病状によっては電話診察ができない場合もありますので、その点は医師の判断が必要になります。これは、病院の待合室での混雑をなるべく避けるためです。病院の待合室の椅子はなるべく間隔をあけるようご協力をお願いしています。また診察の待ち時間は、携帯電話などで連絡が取れる方は、自家用車内で待っていただくことも可能です。ご希望の方は申し出ていただきたいと思います。また、感染が疑われる方は、一般の診察室とは別の部屋での診察になりますのでご理解をお願いいたします。
 病院を受診するほとんどの方がマスクを着用していただいています。最近は市販のマスクが不足していることから、自作のマスクを着用している方も多くなりました。このような一人一人の努力が、危機を乗り越える力になると思います。皆様のご協力に感謝申し上げると同時に、今後も地域ぐるみの力で、この危機を乗り越えていきたいと思います。引き続きご協力をお願いいたします。