【令和6年度】同報無線による森町病院からのお知らせ
令和6年12月のお知らせ
放送予定日:令和6年12月15日
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。本日は、森町版心のノートと当院のAI問診、マイナ保険証についてお話します。
先日の12月7日にミキホールで開催された在宅医療・介護連携推進講演会には会場からあふれるほどの聴衆の皆様に参加していただき、森町住民の関心の高さに心から敬服いたしました。講演では行政書士で社会人落語家の生島清身先生に、創作落語「天国からの手紙」と、遺言書の書き方や人生会議などについて非常にわかりやすく紹介していただきました。多くの方が人生の最期は自宅で迎えたいと希望しているにも関わらず、我が国では約70%の方が病院で看取られているという現実があります。一方森町病院と森町家庭医療クリニックの死亡診断書の統計では、令和5年度自宅で最期を迎えた方は、全体の30.8%で、訪問診療を行っている方については、約80%でした。このことから、森町では希望する方に対しては、自宅での看取りも実現可能な選択肢となっていることがお分かりいただけると思います。人生100年時代と言われるようになった今の時代、多くの方が病を乗り越え、最終的に老衰といわれる自然死に近い状態で最期を迎えるようになりました。そのことは医療の進歩の結果でもあり、人生の最終段階でどのような医療や介護を受けたいか選択することも可能な時代となったと言えます。ですが、実際にその人の希望に沿うためには、ご本人の希望や思いを支えてもらう人に前もってわかってもらうことも必要になります。そのために活用することを目的として、森町版心のノートが作成されました。どのように使うかは、各個人にゆだねられていますが、ご家族と話し合いを持つきっかけとしてはどうでしょうか。長い人生を生き抜き、天寿を全うするためには、多くの病気やけがを乗り越える必要があります。ですが病気が重症化した場合には、人生半ばで病に倒れてしまうことがあるかもしれません。したがって、早期発見早期治療と日ごろの健康管理により、重症化させないための医療が必要となります。高齢化がさらに進むこれからの時代、生活者を支える医療の役割はさらに重要になるでしょう。
一方、これからの医療を持続可能とするためには、ITシステムの有効活用は重要になります。そのような中、当院ではこれまでもAI問診の利用を呼び掛けてきましたが、森町病院では初診患者の59.1%の方が、家庭医療クリニックでは72.5%の方が利用していただき、当院ではそのうち半数以上が、家庭医療クリニックではほとんどの方が事前AI問診を利用していただいています。さらにマイナ保険証については、全国の利用率が15.6%なのに対し、当院では12月10日の時点で52.6%の方が利用していただいています。このことから、森町の方がIT活用に対しての意識も非常に高いことがうかがわれます。全国的に高齢者が増加する一方、働く世代の人口が減少するこれからの時代、当院の理念である「地域とともに在る医療」はますます重要となります。今後も引き続き皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。本日は、森町版心のノートと当院のAI問診、マイナ保険証についてお話します。
先日の12月7日にミキホールで開催された在宅医療・介護連携推進講演会には会場からあふれるほどの聴衆の皆様に参加していただき、森町住民の関心の高さに心から敬服いたしました。講演では行政書士で社会人落語家の生島清身先生に、創作落語「天国からの手紙」と、遺言書の書き方や人生会議などについて非常にわかりやすく紹介していただきました。多くの方が人生の最期は自宅で迎えたいと希望しているにも関わらず、我が国では約70%の方が病院で看取られているという現実があります。一方森町病院と森町家庭医療クリニックの死亡診断書の統計では、令和5年度自宅で最期を迎えた方は、全体の30.8%で、訪問診療を行っている方については、約80%でした。このことから、森町では希望する方に対しては、自宅での看取りも実現可能な選択肢となっていることがお分かりいただけると思います。人生100年時代と言われるようになった今の時代、多くの方が病を乗り越え、最終的に老衰といわれる自然死に近い状態で最期を迎えるようになりました。そのことは医療の進歩の結果でもあり、人生の最終段階でどのような医療や介護を受けたいか選択することも可能な時代となったと言えます。ですが、実際にその人の希望に沿うためには、ご本人の希望や思いを支えてもらう人に前もってわかってもらうことも必要になります。そのために活用することを目的として、森町版心のノートが作成されました。どのように使うかは、各個人にゆだねられていますが、ご家族と話し合いを持つきっかけとしてはどうでしょうか。長い人生を生き抜き、天寿を全うするためには、多くの病気やけがを乗り越える必要があります。ですが病気が重症化した場合には、人生半ばで病に倒れてしまうことがあるかもしれません。したがって、早期発見早期治療と日ごろの健康管理により、重症化させないための医療が必要となります。高齢化がさらに進むこれからの時代、生活者を支える医療の役割はさらに重要になるでしょう。
一方、これからの医療を持続可能とするためには、ITシステムの有効活用は重要になります。そのような中、当院ではこれまでもAI問診の利用を呼び掛けてきましたが、森町病院では初診患者の59.1%の方が、家庭医療クリニックでは72.5%の方が利用していただき、当院ではそのうち半数以上が、家庭医療クリニックではほとんどの方が事前AI問診を利用していただいています。さらにマイナ保険証については、全国の利用率が15.6%なのに対し、当院では12月10日の時点で52.6%の方が利用していただいています。このことから、森町の方がIT活用に対しての意識も非常に高いことがうかがわれます。全国的に高齢者が増加する一方、働く世代の人口が減少するこれからの時代、当院の理念である「地域とともに在る医療」はますます重要となります。今後も引き続き皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
令和6年11月のお知らせ
放送日:令和6年11月15日
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。本日は森町の新型コロナウィルス感染状況についてとマイナ保険証についてお話します。
静岡県の1週間に確認された1医療機関あたりの感染者数の平均値は、10月21日から27日までの1週間が2.19人で、10月28日から11月3日までの1週間では2.40人とわずかに増加しています。当院においても、これまで急激な増加は見られないものの、継続的に新型コロナウィルス感染者の発生は続いていました。しかしながら、当院における10月28日から11月3日までのコロナ感染者は9人であったものが、11月4日から11月10日までの1週間では28人と、約3倍の増加がみられています。このことは、やはり祭りのようなイベントで多くの人が集まることにより感染者が拡大することを示しています。インフルエンザについては今のところそれほどの増加は見られていません。やはり新型コロナウィルスの感染力が強いことが推測されます。感染しても多くの方が軽傷で済んでいますが、ご高齢の方や基礎疾患のある方が、コロナ感染をきっかけに命を落とすこともあります。森町では、65歳以上の方と60歳から64歳で一定の障害のある方を対象として、来年の2月28日まで新型コロナウィルスに対するワクチンの定期接種として公費による補助を行っています。ワクチンは発症予防や重症化予防の効果が認められており、多くの人が受けることで、地域での感染拡大を防ぐことが期待されます。ワクチンの予防効果が期待されるのは、接種後2週間以上過ぎてからです。接種を希望される方は、年末年始に人の移動が増える前に打っておいたほうが良いのではないかと思います。
次に、マイナ保険証についてですが、12月2日以降これまでの健康保険証が発行されなくなることから、当院ではなるべくマイナ保険証の活用をお勧めしてきました。しかしながら、思ったほど進んでいないのが現状です。マイナ保険証の効果としては、過去に処方された薬や特定検診の結果などの情報を、すべての医療機関や薬局で共有することで、正しいデータに基づくよい医療が受けられるようになること、高額療養費限度額免除の手続きや確定申告時の医療費控除の手続きなどが簡単になるなど利用者にとってのメリットばかりでなく、医療現場にとっても業務の負担を減らすことにつながります。働く世代が減少するこれからの時代、質の高い医療サービスを提供し続けるためにもIT化の推進は必須です。マイナ保険証は医療IT化の第1歩です。ぜひ地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。本日は森町の新型コロナウィルス感染状況についてとマイナ保険証についてお話します。
静岡県の1週間に確認された1医療機関あたりの感染者数の平均値は、10月21日から27日までの1週間が2.19人で、10月28日から11月3日までの1週間では2.40人とわずかに増加しています。当院においても、これまで急激な増加は見られないものの、継続的に新型コロナウィルス感染者の発生は続いていました。しかしながら、当院における10月28日から11月3日までのコロナ感染者は9人であったものが、11月4日から11月10日までの1週間では28人と、約3倍の増加がみられています。このことは、やはり祭りのようなイベントで多くの人が集まることにより感染者が拡大することを示しています。インフルエンザについては今のところそれほどの増加は見られていません。やはり新型コロナウィルスの感染力が強いことが推測されます。感染しても多くの方が軽傷で済んでいますが、ご高齢の方や基礎疾患のある方が、コロナ感染をきっかけに命を落とすこともあります。森町では、65歳以上の方と60歳から64歳で一定の障害のある方を対象として、来年の2月28日まで新型コロナウィルスに対するワクチンの定期接種として公費による補助を行っています。ワクチンは発症予防や重症化予防の効果が認められており、多くの人が受けることで、地域での感染拡大を防ぐことが期待されます。ワクチンの予防効果が期待されるのは、接種後2週間以上過ぎてからです。接種を希望される方は、年末年始に人の移動が増える前に打っておいたほうが良いのではないかと思います。
次に、マイナ保険証についてですが、12月2日以降これまでの健康保険証が発行されなくなることから、当院ではなるべくマイナ保険証の活用をお勧めしてきました。しかしながら、思ったほど進んでいないのが現状です。マイナ保険証の効果としては、過去に処方された薬や特定検診の結果などの情報を、すべての医療機関や薬局で共有することで、正しいデータに基づくよい医療が受けられるようになること、高額療養費限度額免除の手続きや確定申告時の医療費控除の手続きなどが簡単になるなど利用者にとってのメリットばかりでなく、医療現場にとっても業務の負担を減らすことにつながります。働く世代が減少するこれからの時代、質の高い医療サービスを提供し続けるためにもIT化の推進は必須です。マイナ保険証は医療IT化の第1歩です。ぜひ地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
令和6年10月のお知らせ
放送日:令和6年10月15日
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。本日は当院のワクチン接種についてお話します。
今月に入ってから、公立森町病院と森町家庭医療クリニックでは、インフルエンザワクチンと新型コロナウィルスワクチンの接種を行っています。インフルエンザワクチンについては、森町病院では大人を対象に火曜日に、森町家庭医療クリニックでは小人を対象に月曜日と水曜日に予約枠を設定しています。インフルエンザについては、冬に多く発生し、ワクチンを接種しておけば、そのシーズンは予防効果が期待できることから、年末年始の人の移動が多くなる時期よりも早めに接種しておくことをお勧めします。新型コロナウィルスワクチンについては、今月から来年の2月28日までの間は、定期接種として公費助成の対象となります。定期接種の対象となるのは、65歳以上の方と60歳から64歳で一定の障がいのある方(身体障害者手帳1級相当の方)です。その間は定期接種の対象者は、自己負担3,200円で予防接種を受けることができます。対象者以外の方は、全額自己負担となり、森町病院では16,709円かかります。対象者以外でも接種を希望される方については、これまで通り森町病院では年間を通して水曜日に任意接種の予約枠を設けています。定期接種の対象者も同じく水曜日に予約枠を設定しています。それ以外にも、森町病院でも森町家庭医療クリニックでも定期的に通院されているかかりつけの患者さんに対しては、インフルエンザワクチンと同様、定期受診の日に接種することも可能です。インフルエンザワクチンと新型コロナウィルスワクチンの同時接種も基本的には可能(同日不可)ですが、それを希望される場合は、かかりつけ医とよくご相談ください。インフルエンザワクチンも新型コロナウィルスワクチンも重症化予防を目的としており、高齢の方や基礎疾患のある方は、できるだけ接種をしておいたほうがよいでしょう。
子宮頸がんワクチンについては、平成25年から令和3年の間、積極的な勧奨が控えられ、その間に予防接種を受ける機会を逃した方を対象に、キャッチアップ接種として来年の3月までの間、希望者には無料で接種できることになっています。対象となるのは、誕生日が1997年4月2日から2008年4月1日の方です。このことについては、これまでもこの同報無線で、森町家庭医療クリニックの医師から情報提供を行いました。これまでは、合計3回の接種を受けるために6か月を要することから、期間内に3回目の接種を終えるために9月中に1回目の接種を受けることをお勧めしてきましたが、キャッチアップ接種の対象の方は、ワクチンの接種の間隔が4か月に短縮されたため、11月末までに1回目の接種を行えば、来年の3月までに3回目の接種を終えることが可能となりました。子宮頸がんワクチンは明らかに高い予防効果が認められています。キャッチアップ接種の対象者で、これまでに接種の機会を逃している方は、ぜひ11月中までに1回目の接種を受けることをお勧めします。接種をご希望の方は、森町病院か森町家庭医療クリニックにお問い合わせください。
個人の健康を守ることと同時に医療費の高騰を防ぐためにも、早期発見早期治療だけでなく予防にもご協力くださいますようお願いいたします。
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。本日は当院のワクチン接種についてお話します。
今月に入ってから、公立森町病院と森町家庭医療クリニックでは、インフルエンザワクチンと新型コロナウィルスワクチンの接種を行っています。インフルエンザワクチンについては、森町病院では大人を対象に火曜日に、森町家庭医療クリニックでは小人を対象に月曜日と水曜日に予約枠を設定しています。インフルエンザについては、冬に多く発生し、ワクチンを接種しておけば、そのシーズンは予防効果が期待できることから、年末年始の人の移動が多くなる時期よりも早めに接種しておくことをお勧めします。新型コロナウィルスワクチンについては、今月から来年の2月28日までの間は、定期接種として公費助成の対象となります。定期接種の対象となるのは、65歳以上の方と60歳から64歳で一定の障がいのある方(身体障害者手帳1級相当の方)です。その間は定期接種の対象者は、自己負担3,200円で予防接種を受けることができます。対象者以外の方は、全額自己負担となり、森町病院では16,709円かかります。対象者以外でも接種を希望される方については、これまで通り森町病院では年間を通して水曜日に任意接種の予約枠を設けています。定期接種の対象者も同じく水曜日に予約枠を設定しています。それ以外にも、森町病院でも森町家庭医療クリニックでも定期的に通院されているかかりつけの患者さんに対しては、インフルエンザワクチンと同様、定期受診の日に接種することも可能です。インフルエンザワクチンと新型コロナウィルスワクチンの同時接種も基本的には可能(同日不可)ですが、それを希望される場合は、かかりつけ医とよくご相談ください。インフルエンザワクチンも新型コロナウィルスワクチンも重症化予防を目的としており、高齢の方や基礎疾患のある方は、できるだけ接種をしておいたほうがよいでしょう。
子宮頸がんワクチンについては、平成25年から令和3年の間、積極的な勧奨が控えられ、その間に予防接種を受ける機会を逃した方を対象に、キャッチアップ接種として来年の3月までの間、希望者には無料で接種できることになっています。対象となるのは、誕生日が1997年4月2日から2008年4月1日の方です。このことについては、これまでもこの同報無線で、森町家庭医療クリニックの医師から情報提供を行いました。これまでは、合計3回の接種を受けるために6か月を要することから、期間内に3回目の接種を終えるために9月中に1回目の接種を受けることをお勧めしてきましたが、キャッチアップ接種の対象の方は、ワクチンの接種の間隔が4か月に短縮されたため、11月末までに1回目の接種を行えば、来年の3月までに3回目の接種を終えることが可能となりました。子宮頸がんワクチンは明らかに高い予防効果が認められています。キャッチアップ接種の対象者で、これまでに接種の機会を逃している方は、ぜひ11月中までに1回目の接種を受けることをお勧めします。接種をご希望の方は、森町病院か森町家庭医療クリニックにお問い合わせください。
個人の健康を守ることと同時に医療費の高騰を防ぐためにも、早期発見早期治療だけでなく予防にもご協力くださいますようお願いいたします。
令和6年9月のお知らせ
放送日:令和6年9月15日
担当者:家庭医療クリニック 小串真澄
町民のみなさま、こんにちは。森町家庭医療クリニック医師の小串真澄です。
本日は、5月にもお話しした、子宮頸がんワクチンについてもう一度お話ししたいと思います。「自分は男だし」「もう歳をとったし」と思ったそこのあなた、このワクチンについて知ることで、あなたの奥さん、お子さん、お孫さんを癌から守ることができるかもしれません。3分だけ、聞いてもらえませんか?
子宮頸がんとは、子宮の入り口にできる癌のことです。この癌が悪化すると、手術で子宮を取らなければならなくなり、最悪の場合命を落としてしまうかもしれません。実際に日本では、この子宮頸がんが原因で毎年約2900人の女性が亡くなっており、25-40歳の女性の癌による死亡原因の第2位となっています。それくらいたくさんの若い女性が亡くなっている病気です。
子宮頸がんワクチンは子宮頸がんを予防してくれるワクチンです。子宮頸がんはHPVというウィルスに感染することによって起こります。子宮頸がんワクチンはこのウィルスの感染をなんと9割予防してくれることがわかっています。
実はこのワクチンは2013年から、小6から高1の女の子全員が公費対象で、無料で接種できるワクチンとなっていますが、接種後の重篤な副反応が懸念された時に一時的に個別に勧める通知を控えていた時期がありました。しかし世界中で様々な研究がされ、子宮頸がんワクチンと懸念されていた重篤な副反応との因果関係はしっかり否定されました。接種部分の痛みや腫れ・赤み等の副反応は、インフルエンザ等の他のワクチンと同様に見られますが、安全性と接種による有効性が科学的に評価され、2022年から定期接種の対象者に個別で接種をおすすめする通知が役場から届いていると思います。そして、個別通知が来なかった時期に接種を逃してしまった人を対象に、現在、国では特例として自己負担なしでこのワクチンを打てるキャンペーンを行っています。これをキャッチアップ接種と言います。この対象者は、今年度高校2年生から27歳になる方で、キャッチアップ接種は令和7年3月31日で終了します。ワクチンは3回接種が必要で全部終了するには半年かかります。キャンペーン中に接種を完了するためには遅くとも9月中には開始しないと全てを期間内に打つことができなくなります。子宮頸がんワクチンは自費だと約9万円かかります。定期接種の対象者の最後の学年である高校1年生も来年は対象から外れるため、無料で打てるのは令和7年3月までです。間に合わないかもと諦めないで、1回目の接種をまずはできるだけ早く予約し、接種のスケジュールを医師と相談しましょう。
この放送を聞いていただいたあなたはこのワクチン接種の対象者ではありませんか?また、あなたの周りに対象年齢の女性がいれば、ぜひ、このことを教えてあげてください。接種のチャンスを逃してほしくないのです。ワクチンや接種方法についての情報は森町家庭医療クリニックのホームページでご確認ください。不安、疑問、相談がある方もまずはクリニックまでお電話ください。私たちが相談に乗ります。
最後にもう一度、大切なことをお話しします。高校1年生〜今年27歳になる方、公費対象として子宮頸がんワクチンを無料で打てる最後の年です。接種を希望される方はできるだけ早く1回目の接種を予約してください。よろしくお願いします。
担当者:家庭医療クリニック 小串真澄
町民のみなさま、こんにちは。森町家庭医療クリニック医師の小串真澄です。
本日は、5月にもお話しした、子宮頸がんワクチンについてもう一度お話ししたいと思います。「自分は男だし」「もう歳をとったし」と思ったそこのあなた、このワクチンについて知ることで、あなたの奥さん、お子さん、お孫さんを癌から守ることができるかもしれません。3分だけ、聞いてもらえませんか?
子宮頸がんとは、子宮の入り口にできる癌のことです。この癌が悪化すると、手術で子宮を取らなければならなくなり、最悪の場合命を落としてしまうかもしれません。実際に日本では、この子宮頸がんが原因で毎年約2900人の女性が亡くなっており、25-40歳の女性の癌による死亡原因の第2位となっています。それくらいたくさんの若い女性が亡くなっている病気です。
子宮頸がんワクチンは子宮頸がんを予防してくれるワクチンです。子宮頸がんはHPVというウィルスに感染することによって起こります。子宮頸がんワクチンはこのウィルスの感染をなんと9割予防してくれることがわかっています。
実はこのワクチンは2013年から、小6から高1の女の子全員が公費対象で、無料で接種できるワクチンとなっていますが、接種後の重篤な副反応が懸念された時に一時的に個別に勧める通知を控えていた時期がありました。しかし世界中で様々な研究がされ、子宮頸がんワクチンと懸念されていた重篤な副反応との因果関係はしっかり否定されました。接種部分の痛みや腫れ・赤み等の副反応は、インフルエンザ等の他のワクチンと同様に見られますが、安全性と接種による有効性が科学的に評価され、2022年から定期接種の対象者に個別で接種をおすすめする通知が役場から届いていると思います。そして、個別通知が来なかった時期に接種を逃してしまった人を対象に、現在、国では特例として自己負担なしでこのワクチンを打てるキャンペーンを行っています。これをキャッチアップ接種と言います。この対象者は、今年度高校2年生から27歳になる方で、キャッチアップ接種は令和7年3月31日で終了します。ワクチンは3回接種が必要で全部終了するには半年かかります。キャンペーン中に接種を完了するためには遅くとも9月中には開始しないと全てを期間内に打つことができなくなります。子宮頸がんワクチンは自費だと約9万円かかります。定期接種の対象者の最後の学年である高校1年生も来年は対象から外れるため、無料で打てるのは令和7年3月までです。間に合わないかもと諦めないで、1回目の接種をまずはできるだけ早く予約し、接種のスケジュールを医師と相談しましょう。
この放送を聞いていただいたあなたはこのワクチン接種の対象者ではありませんか?また、あなたの周りに対象年齢の女性がいれば、ぜひ、このことを教えてあげてください。接種のチャンスを逃してほしくないのです。ワクチンや接種方法についての情報は森町家庭医療クリニックのホームページでご確認ください。不安、疑問、相談がある方もまずはクリニックまでお電話ください。私たちが相談に乗ります。
最後にもう一度、大切なことをお話しします。高校1年生〜今年27歳になる方、公費対象として子宮頸がんワクチンを無料で打てる最後の年です。接種を希望される方はできるだけ早く1回目の接種を予約してください。よろしくお願いします。
令和6年8月のお知らせ
放送日:令和6年8月15日
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、当院が目指す地域包括ヘルスケアシステムについてお話しします。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えて、国はこれまで地域包括ケアシステムの構築を目指してきました。地域包括ケアシステムとは、たとえ医療や介護が必要になっても、住み慣れた街で最期まで暮らし続けることができるよう、医療や介護を一体的に提供する仕組みです。全国に先駆けて高齢化が進んだ森町で、当院はこれまで在宅医療に取り組み、多職種合同カンファレンスを開催するなど、いまやチーム森町と言っていい連携体制を構築しています。しかしながら、地域包括ケアシステムにおいて最も重要なのは、地域住民との連携です。そのような観点から、これまでも地域にさまざまな情報を発信してきました。この同報無線もその取り組みの一環です。一つの例として、コンビニ受診を控えようと呼び掛けてきたたことがあります。その結果、当院への受診だけでなく、森町住民の中東遠地域公立病院への時間外受診総数を、人口で割った時間外受診率は、平成21年度23.8%でしたが、その後年々減少し、令和5年度は15.9%と7.9%も減少しています。このことは、地域の皆様のご協力の結果と考えています。院長として心から感謝申し上げます。
今年度から医師の働き方改革も法制化されました。医師の働き方改革は、医師にとっても患者にとっても有益なものでなくてはなりません。そのためには、何よりも突発的な緊急事態を減らすことが求められます。私が森町に赴任した27年前は、地域に医療がいきわたっているとは決して言えない状況でした。そのため、重症化してから受診する患者さんも多く、緊急手術も毎年右肩上がりに増え続けました。私が院長に就任してからは、地域への情報発信に努めてきました。その結果、地域の皆様の協力もあり、緊急手術数は明らかに減少してきました。このことから、日頃から早期発見早期治療に努めることがいかに重要であるかを実感しています。そこで提唱したいのが、医療や介護が必要になってからではなく、健康を維持するための仕組み、すなわち地域包括ヘルスケアシステムです。これまでも、病状が悪化してから受診するのではなく、悪化させないよう医療と付き合うことの重要性を呼び掛けてきました。そのためには、かかりつけ医を持ち、住民一人一人が、日頃から健康を管理し、早期発見早期治療に努めることが極めて重要です。森町はすでに、全国の高齢者数がピークとなる2040年の高齢化率を先取りしています。そんな森町で、これまでの地域包括ケアシステムからさらに一歩進んで、地域包括ヘルスケアシステムの構築に向けて進むことが、今後の当院の目指すべき方向性であると考えています。引き続き、地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、当院が目指す地域包括ヘルスケアシステムについてお話しします。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えて、国はこれまで地域包括ケアシステムの構築を目指してきました。地域包括ケアシステムとは、たとえ医療や介護が必要になっても、住み慣れた街で最期まで暮らし続けることができるよう、医療や介護を一体的に提供する仕組みです。全国に先駆けて高齢化が進んだ森町で、当院はこれまで在宅医療に取り組み、多職種合同カンファレンスを開催するなど、いまやチーム森町と言っていい連携体制を構築しています。しかしながら、地域包括ケアシステムにおいて最も重要なのは、地域住民との連携です。そのような観点から、これまでも地域にさまざまな情報を発信してきました。この同報無線もその取り組みの一環です。一つの例として、コンビニ受診を控えようと呼び掛けてきたたことがあります。その結果、当院への受診だけでなく、森町住民の中東遠地域公立病院への時間外受診総数を、人口で割った時間外受診率は、平成21年度23.8%でしたが、その後年々減少し、令和5年度は15.9%と7.9%も減少しています。このことは、地域の皆様のご協力の結果と考えています。院長として心から感謝申し上げます。
今年度から医師の働き方改革も法制化されました。医師の働き方改革は、医師にとっても患者にとっても有益なものでなくてはなりません。そのためには、何よりも突発的な緊急事態を減らすことが求められます。私が森町に赴任した27年前は、地域に医療がいきわたっているとは決して言えない状況でした。そのため、重症化してから受診する患者さんも多く、緊急手術も毎年右肩上がりに増え続けました。私が院長に就任してからは、地域への情報発信に努めてきました。その結果、地域の皆様の協力もあり、緊急手術数は明らかに減少してきました。このことから、日頃から早期発見早期治療に努めることがいかに重要であるかを実感しています。そこで提唱したいのが、医療や介護が必要になってからではなく、健康を維持するための仕組み、すなわち地域包括ヘルスケアシステムです。これまでも、病状が悪化してから受診するのではなく、悪化させないよう医療と付き合うことの重要性を呼び掛けてきました。そのためには、かかりつけ医を持ち、住民一人一人が、日頃から健康を管理し、早期発見早期治療に努めることが極めて重要です。森町はすでに、全国の高齢者数がピークとなる2040年の高齢化率を先取りしています。そんな森町で、これまでの地域包括ケアシステムからさらに一歩進んで、地域包括ヘルスケアシステムの構築に向けて進むことが、今後の当院の目指すべき方向性であると考えています。引き続き、地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
令和6年7月のお知らせ
放送日:令和6年7月15日
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、当院のAI問診とマイナ保険証の活用についてお話します。
先月の同報無線でお話しした通り、今年度の当院のキャッチフレーズは「未来への挑戦」です。後期高齢者の絶対数が増加し医療需要が増大する半面、働く世代の人口が減少し医療の担い手不足が深刻化することが予想されるこれからの時代、持続可能な医療のキーワードが総合診療と医療DXであるということをお伝えしました。医療DXというのは、単に業務をデジタル化することではなく、医療や介護などの各分野から得られた多くの情報を、IT技術を用いてより有効活用し、医療の質を高め、さらなる国民の健康増進を図ろうというものです。国は医療DXを強力に進めようとしています。当院がまずできることとして、中東遠医療圏の公立病院同士で電子カルテ情報を共有するシステムや、介護職や行政も含めた多職種間で情報を共有するシステムの有効活用に努めてきました。また当院では、いち早く来院前AI問診の仕組みを導入してきました。これは、病院に来院する前に当院のホームページから、受診の希望内容や病状の経過などを入力することができる仕組みです。このことで、受診される方の診察時間を短縮することができます。この仕組みは、本年6月から森町家庭医療クリニックでも導入しています。まずは発熱外来を受診される方を対象としていましたが、6月14日からクリニックの初診患者全体に対象を広げました。現在、病院では初診患者のうち52.8%の方がAI問診を利用されていますが、6月14日以降の家庭医療クリニックのAI問診利用率は、83.7%と予想をはるかに上回る数字でした。家庭医療クリニックでは、スマホに慣れている子育て世代の若い方の受診率が病院よりも高いことが一因と思われますが、実際には病院を受診される75歳以上の高齢者の中にも、来院前AI問診を利用される方はいます。ご家族のサポートを受けているかもしれませんが、来院前AI問診は、遠方に住んでいるご家族が支援することもできます。また、病院に来てから病状をうまく伝えることが苦手な方は、ご家族やAIの助けを借りてご自宅で入力してみてはどうでしょうか。
マイナ保険証の活用についてですが、厚生労働省は今年の4月の全国の利用率は6.56%と発表しています。その時点で当院では5.4%でした。現在9.3%まで上昇しています。増加しているとはいえ、まだまだ利用率は低い状況です。当院は、9月末までに24%、12月までに54%の利用率を目指す目標を掲げています。マイナ保険証の活用は病院の事務作業を軽減するだけではなく、他の医療機関の処方内容や健診データを共有することができるメリットがあります。医療をよりよくするために、ぜひ地域の皆様のご協力をお願いします。利用の方法がわからない方は、森町役場住民生活課か当院医事課にご相談ください。引き続き地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、当院のAI問診とマイナ保険証の活用についてお話します。
先月の同報無線でお話しした通り、今年度の当院のキャッチフレーズは「未来への挑戦」です。後期高齢者の絶対数が増加し医療需要が増大する半面、働く世代の人口が減少し医療の担い手不足が深刻化することが予想されるこれからの時代、持続可能な医療のキーワードが総合診療と医療DXであるということをお伝えしました。医療DXというのは、単に業務をデジタル化することではなく、医療や介護などの各分野から得られた多くの情報を、IT技術を用いてより有効活用し、医療の質を高め、さらなる国民の健康増進を図ろうというものです。国は医療DXを強力に進めようとしています。当院がまずできることとして、中東遠医療圏の公立病院同士で電子カルテ情報を共有するシステムや、介護職や行政も含めた多職種間で情報を共有するシステムの有効活用に努めてきました。また当院では、いち早く来院前AI問診の仕組みを導入してきました。これは、病院に来院する前に当院のホームページから、受診の希望内容や病状の経過などを入力することができる仕組みです。このことで、受診される方の診察時間を短縮することができます。この仕組みは、本年6月から森町家庭医療クリニックでも導入しています。まずは発熱外来を受診される方を対象としていましたが、6月14日からクリニックの初診患者全体に対象を広げました。現在、病院では初診患者のうち52.8%の方がAI問診を利用されていますが、6月14日以降の家庭医療クリニックのAI問診利用率は、83.7%と予想をはるかに上回る数字でした。家庭医療クリニックでは、スマホに慣れている子育て世代の若い方の受診率が病院よりも高いことが一因と思われますが、実際には病院を受診される75歳以上の高齢者の中にも、来院前AI問診を利用される方はいます。ご家族のサポートを受けているかもしれませんが、来院前AI問診は、遠方に住んでいるご家族が支援することもできます。また、病院に来てから病状をうまく伝えることが苦手な方は、ご家族やAIの助けを借りてご自宅で入力してみてはどうでしょうか。
マイナ保険証の活用についてですが、厚生労働省は今年の4月の全国の利用率は6.56%と発表しています。その時点で当院では5.4%でした。現在9.3%まで上昇しています。増加しているとはいえ、まだまだ利用率は低い状況です。当院は、9月末までに24%、12月までに54%の利用率を目指す目標を掲げています。マイナ保険証の活用は病院の事務作業を軽減するだけではなく、他の医療機関の処方内容や健診データを共有することができるメリットがあります。医療をよりよくするために、ぜひ地域の皆様のご協力をお願いします。利用の方法がわからない方は、森町役場住民生活課か当院医事課にご相談ください。引き続き地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
令和6年6月のお知らせ
放送日:令和6年6月15日
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、公立森町病院キャッチフレーズについてお話します。
当院は、平成12年度から毎年その年のキャッチフレーズを策定し病院運営に取り組んできました。平成14年度に私が院長に就任した際の最初のキャッチフレーズは「心のかよった医療」です。その年度、1年を通してそのテーマについて考え続けた結果、これは今後もその意味を模索し続けることが当院にとって重要と考え、病院理念を改訂する際に、文言の中に残すこととしました。その後毎年、その年度の病院運営の重点項目に沿った形でキャッチフレーズを策定してきました。各年度のキャッチフレーズについては、今回の放送内容と共に当院のホームページに掲載しますので、興味のある方はご参照ください。
今年の4月の同報無線でもお伝えしましたが、本年度のキャッチフレーズは「未来への挑戦」です。我が国は、今まさに時代の大きな転換点を迎えています。2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、いよいよ本格的な超高齢化時代が訪れます。同時に今後働く世代の急激な減少も見込まれます。2025年から2040年までの15年間で、高齢者の人口は6.6%増加するのに対し、15歳から64歳までの働く世代は16.6%減少すると予測されています。医療や福祉の分野では需要が増大するのに対して、その担い手の確保がますます困難となることが予想されます。何らかの形で業務の効率性を達成しなければ、我が国の医療、福祉は立ち行かなくなってしまいます。
医療界において効率性を図るためには、機能分化と連携がうまく機能することにより、患者ごとのニーズに過不足なく最適な形で応えることができるようにすること、また予防により疾病の重症化を防ぐことなどが鍵になります。そのために重要となるのが、総合診療というキーワードです。多くの病気を同時に抱える高齢者が増加する中で、多くの専門分野を受診するよりも、1か所の受診で健康を維持し重症化を防ぐことができれば効率的です。
業務の効率化を図るもう一つのキーワードが、医療DXです。これはICTやAIを活用することで医療の形を変えていこうというものです。いままさに第4次産業革命の時代と言われていますが、その意味はICTの発達によって得られたビッグデータを、インターネットを通じて集約した上で分析・活用し、またAIにビッグデータを与えることにより複雑な判断を要する労働やサービスの効率的な提供を可能とするものです。日本はこの分野で遅れていると言われ、特に医療界は遅れています。
森町は、全国に先駆けて高齢化が進んだため、今後高齢者の絶対数の伸びは全国平均ほど高くはありません。また、当院は、病院に隣接して家庭医療クリニックを建設することで総合診療を提供し、近隣医療機関や介護施設との連携を進めてきました。これからが、まさに当院の本領を発揮する時代と言えます。また、ITシステムの導入による関係者間の情報共有システムや、AI問診の導入などをいち早く取り入れてきました。今年度は、電子処方箋の導入や、マイナンバーカードを用いたマイナ保険証の有効活用を進めていく予定です。現在、当院を受診する初診患者の半数以上がAI問診を利用しており、そのうち30%以上が病院受診前AI問診を有効活用しています。このことは、森町がいかにIT化の進んだ町であるかを示しています。しかしながら、マイナ保険証についてはまだまだ利用率が低く、このことについては地域の皆様にぜひご協力をお願いしたいところです。
あらためて今年度の公立森町病院キャッチフレーズ「未来への挑戦」への地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、公立森町病院キャッチフレーズについてお話します。
当院は、平成12年度から毎年その年のキャッチフレーズを策定し病院運営に取り組んできました。平成14年度に私が院長に就任した際の最初のキャッチフレーズは「心のかよった医療」です。その年度、1年を通してそのテーマについて考え続けた結果、これは今後もその意味を模索し続けることが当院にとって重要と考え、病院理念を改訂する際に、文言の中に残すこととしました。その後毎年、その年度の病院運営の重点項目に沿った形でキャッチフレーズを策定してきました。各年度のキャッチフレーズについては、今回の放送内容と共に当院のホームページに掲載しますので、興味のある方はご参照ください。
今年の4月の同報無線でもお伝えしましたが、本年度のキャッチフレーズは「未来への挑戦」です。我が国は、今まさに時代の大きな転換点を迎えています。2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、いよいよ本格的な超高齢化時代が訪れます。同時に今後働く世代の急激な減少も見込まれます。2025年から2040年までの15年間で、高齢者の人口は6.6%増加するのに対し、15歳から64歳までの働く世代は16.6%減少すると予測されています。医療や福祉の分野では需要が増大するのに対して、その担い手の確保がますます困難となることが予想されます。何らかの形で業務の効率性を達成しなければ、我が国の医療、福祉は立ち行かなくなってしまいます。
医療界において効率性を図るためには、機能分化と連携がうまく機能することにより、患者ごとのニーズに過不足なく最適な形で応えることができるようにすること、また予防により疾病の重症化を防ぐことなどが鍵になります。そのために重要となるのが、総合診療というキーワードです。多くの病気を同時に抱える高齢者が増加する中で、多くの専門分野を受診するよりも、1か所の受診で健康を維持し重症化を防ぐことができれば効率的です。
業務の効率化を図るもう一つのキーワードが、医療DXです。これはICTやAIを活用することで医療の形を変えていこうというものです。いままさに第4次産業革命の時代と言われていますが、その意味はICTの発達によって得られたビッグデータを、インターネットを通じて集約した上で分析・活用し、またAIにビッグデータを与えることにより複雑な判断を要する労働やサービスの効率的な提供を可能とするものです。日本はこの分野で遅れていると言われ、特に医療界は遅れています。
森町は、全国に先駆けて高齢化が進んだため、今後高齢者の絶対数の伸びは全国平均ほど高くはありません。また、当院は、病院に隣接して家庭医療クリニックを建設することで総合診療を提供し、近隣医療機関や介護施設との連携を進めてきました。これからが、まさに当院の本領を発揮する時代と言えます。また、ITシステムの導入による関係者間の情報共有システムや、AI問診の導入などをいち早く取り入れてきました。今年度は、電子処方箋の導入や、マイナンバーカードを用いたマイナ保険証の有効活用を進めていく予定です。現在、当院を受診する初診患者の半数以上がAI問診を利用しており、そのうち30%以上が病院受診前AI問診を有効活用しています。このことは、森町がいかにIT化の進んだ町であるかを示しています。しかしながら、マイナ保険証についてはまだまだ利用率が低く、このことについては地域の皆様にぜひご協力をお願いしたいところです。
あらためて今年度の公立森町病院キャッチフレーズ「未来への挑戦」への地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
キャッチフレーズはこちらからもご覧いただけます(別ウィンドウでひらきます)
令和6年5月のお知らせ
放送日:令和6年5月15日
担当者:家庭医療クリニック 小串真澄
町民のみなさま、おはようございます。森町家庭医療クリニック医師の小串真澄です。
本日は、子宮頸がんワクチンについてお話ししたいと思います。「自分は男だし」「もう歳をとったし」、関係ないと思った方も、このワクチンについて知ることで、あなたの奥さん、お子さん、お孫さんを癌から守ることができるかもしれません。
子宮頸がんとは、子宮の入り口にできる癌のことです。この癌が悪化すると、手術で子宮を取らなければならなくなり、最悪の場合命を落としてしまうかもしれません。実際に日本では、この子宮頸がんが原因で毎年約2900人の女性が亡くなっており、25-40歳の女性の癌による死亡原因の第2位となっています。それくらいたくさんの若い女性が亡くなっている病気です。
子宮頸がんワクチンは子宮頸がんを予防してくれるワクチンです。子宮頸がんはHPVというウィルスに感染することによって起こります。子宮頸がんワクチンはこのウィルスの感染をなんと9割予防してくれることがわかっています。
実はこのワクチンは2013年から、小6から高1の女の子全員が公費対象で、自己負担なしで接種できるワクチンとなっていますが、接種後の副反応が懸念された時に一時的に個別に勧める通知を控えていた時期がありました。しかし世界中で様々な研究がされ、子宮頸がんワクチンと懸念されていた副反応の因果関係はしっかり否定されました。安全性と接種による有効性が科学的に評価され、2022年から定期接種の対象者に個別で接種をおすすめする通知が役場から届いていると思います。そして、個別通知が来なかった時期に接種を逃してまった人を対象に、現在、特例で自己負担なしでこのワクチンを打てるキャンペーンを国が行っています。これをキャッチアップ接種と言います。この対象者は、今年度高校2年生から27歳になる方で、キャッチアップ接種は今年度いっぱいで終了します。ワクチンは3回接種が必要で全部終了するには半年かかります。キャンペーン中に接種を完了するためには少なくとも8月くらいには開始しないと全てを期間内に打つことができなくなります。子宮頸がんワクチンは自費だと約9万円かかります。定期接種の対象者の最後の学年である高校1年生も来年は対象から外れるため、無料で打てるのは今年度までです。
あなたはこのワクチン接種の対象者ではありませんか?また、あなたの周りに対象年齢の女性はいませんか?ぜひ、このことを教えてあげてください。ワクチンや接種についての情報は森町家庭医療クリニックのホームページでご確認ください。不安、疑問、相談がある方はまずはクリニックまでお電話ください。私たちが相談に乗ります。
最後にもう一度、大切なことをお話しします。高校1年生〜今年27歳になる方、子宮頸がんワクチン接種は、今年の夏までに開始してください。よろしくお願いします。
担当者:家庭医療クリニック 小串真澄
町民のみなさま、おはようございます。森町家庭医療クリニック医師の小串真澄です。
本日は、子宮頸がんワクチンについてお話ししたいと思います。「自分は男だし」「もう歳をとったし」、関係ないと思った方も、このワクチンについて知ることで、あなたの奥さん、お子さん、お孫さんを癌から守ることができるかもしれません。
子宮頸がんとは、子宮の入り口にできる癌のことです。この癌が悪化すると、手術で子宮を取らなければならなくなり、最悪の場合命を落としてしまうかもしれません。実際に日本では、この子宮頸がんが原因で毎年約2900人の女性が亡くなっており、25-40歳の女性の癌による死亡原因の第2位となっています。それくらいたくさんの若い女性が亡くなっている病気です。
子宮頸がんワクチンは子宮頸がんを予防してくれるワクチンです。子宮頸がんはHPVというウィルスに感染することによって起こります。子宮頸がんワクチンはこのウィルスの感染をなんと9割予防してくれることがわかっています。
実はこのワクチンは2013年から、小6から高1の女の子全員が公費対象で、自己負担なしで接種できるワクチンとなっていますが、接種後の副反応が懸念された時に一時的に個別に勧める通知を控えていた時期がありました。しかし世界中で様々な研究がされ、子宮頸がんワクチンと懸念されていた副反応の因果関係はしっかり否定されました。安全性と接種による有効性が科学的に評価され、2022年から定期接種の対象者に個別で接種をおすすめする通知が役場から届いていると思います。そして、個別通知が来なかった時期に接種を逃してまった人を対象に、現在、特例で自己負担なしでこのワクチンを打てるキャンペーンを国が行っています。これをキャッチアップ接種と言います。この対象者は、今年度高校2年生から27歳になる方で、キャッチアップ接種は今年度いっぱいで終了します。ワクチンは3回接種が必要で全部終了するには半年かかります。キャンペーン中に接種を完了するためには少なくとも8月くらいには開始しないと全てを期間内に打つことができなくなります。子宮頸がんワクチンは自費だと約9万円かかります。定期接種の対象者の最後の学年である高校1年生も来年は対象から外れるため、無料で打てるのは今年度までです。
あなたはこのワクチン接種の対象者ではありませんか?また、あなたの周りに対象年齢の女性はいませんか?ぜひ、このことを教えてあげてください。ワクチンや接種についての情報は森町家庭医療クリニックのホームページでご確認ください。不安、疑問、相談がある方はまずはクリニックまでお電話ください。私たちが相談に乗ります。
最後にもう一度、大切なことをお話しします。高校1年生〜今年27歳になる方、子宮頸がんワクチン接種は、今年の夏までに開始してください。よろしくお願いします。
令和6年4月のお知らせ
放送日:令和6年4月15日
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、令和6年度の森町病院運営方針についてお話します。
今年度は、国の指針に基づいて作成した公立森町病院経営強化プランの1年目の年となります。プランでは2つの重点項目として病床稼働率の向上と医療人材の確保を掲げています。3年間続いたコロナ禍の影響で、全国の病院で稼働率が低下し、新型コロナが5類扱いとなり社会活動が再開した後も回復しない状況が続いています。当院においては、コロナ禍だけでなく、看護師などの産休・育休取得のために病棟を十分機能させることができなかったことと、整形外科の診療体制の縮小のため稼働率が低下していました。昨年度整形外科医2名が赴任したことにより、下半期から入院患者数も増加し、コロナ禍前の水準までほぼ回復することができています。年間を通した入院患者数は、対前年度比で約27%増加しています。今年度は、年間を通してこの稼働率を維持することが目標です。一方看護師を増員しているものの、病棟の機能をフルに活用するにはまだまだ不十分です。当院職員も出産、育児に専念できる体制を維持するためには、さらなる看護師の確保は必要です。今後さらに働く世代の人口減少によってあらゆる分野で人材不足が問題となってきます。当院では、特に看護師と薬剤師の増員が必要です。もしもお知り合いの方がいらっしゃったらぜひ当院管理課に紹介してください。
一方、人材不足の問題を解決する手段の一つとしてITの活用があります。日本は世界各国と比較してIT化が遅れていると言われています。特に医療界は遅れています。国はマイナーバーカードを用いて保険証の資格確認ができるように整備を進めてきました。いまだ利用率は低い状況ですが、このことは当院の事務作業の負担軽減につながります。国の方針として今年中に保険証が廃止されることが決まっています。そのことを踏まえた対応をぜひお願いいたします。また、様々な医療情報を共有するための全国医療情報プラットホームの創設が進められています。現在でもマイナンバーカードを用いてマイナポータルにアクセスすると、すべての医療機関でご自分に処方された投薬内容を確認することができます。このことは災害などでかかりつけ以外の医療機関にかからなければならない時などに役立ちます。これまで当院で採用している病院受診前事前AI問診について地域の皆様にご利用を呼び掛けてきました。このシステムへの入力は、当院のホームページを通じて遠方にお住いのご家族が代行入力をすることも可能です。ご高齢の一人暮らしの方や老々世帯の方も電話で病状を伝えてご家族に入力をお願いするのも一つの方法です。
様々な点で今時代が大きく変わろうとしています。未来は不確実ですが、だからこそ多くの可能性があります。ITも手段の一つにすぎませんが、手段は使い方次第で有効となります。まずはチャレンジすることが必要です。そこで今年度の当院のキャッチフレーズを「未来への挑戦」としました。引き続き地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
担当者:院長 中村昌樹
おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は、令和6年度の森町病院運営方針についてお話します。
今年度は、国の指針に基づいて作成した公立森町病院経営強化プランの1年目の年となります。プランでは2つの重点項目として病床稼働率の向上と医療人材の確保を掲げています。3年間続いたコロナ禍の影響で、全国の病院で稼働率が低下し、新型コロナが5類扱いとなり社会活動が再開した後も回復しない状況が続いています。当院においては、コロナ禍だけでなく、看護師などの産休・育休取得のために病棟を十分機能させることができなかったことと、整形外科の診療体制の縮小のため稼働率が低下していました。昨年度整形外科医2名が赴任したことにより、下半期から入院患者数も増加し、コロナ禍前の水準までほぼ回復することができています。年間を通した入院患者数は、対前年度比で約27%増加しています。今年度は、年間を通してこの稼働率を維持することが目標です。一方看護師を増員しているものの、病棟の機能をフルに活用するにはまだまだ不十分です。当院職員も出産、育児に専念できる体制を維持するためには、さらなる看護師の確保は必要です。今後さらに働く世代の人口減少によってあらゆる分野で人材不足が問題となってきます。当院では、特に看護師と薬剤師の増員が必要です。もしもお知り合いの方がいらっしゃったらぜひ当院管理課に紹介してください。
一方、人材不足の問題を解決する手段の一つとしてITの活用があります。日本は世界各国と比較してIT化が遅れていると言われています。特に医療界は遅れています。国はマイナーバーカードを用いて保険証の資格確認ができるように整備を進めてきました。いまだ利用率は低い状況ですが、このことは当院の事務作業の負担軽減につながります。国の方針として今年中に保険証が廃止されることが決まっています。そのことを踏まえた対応をぜひお願いいたします。また、様々な医療情報を共有するための全国医療情報プラットホームの創設が進められています。現在でもマイナンバーカードを用いてマイナポータルにアクセスすると、すべての医療機関でご自分に処方された投薬内容を確認することができます。このことは災害などでかかりつけ以外の医療機関にかからなければならない時などに役立ちます。これまで当院で採用している病院受診前事前AI問診について地域の皆様にご利用を呼び掛けてきました。このシステムへの入力は、当院のホームページを通じて遠方にお住いのご家族が代行入力をすることも可能です。ご高齢の一人暮らしの方や老々世帯の方も電話で病状を伝えてご家族に入力をお願いするのも一つの方法です。
様々な点で今時代が大きく変わろうとしています。未来は不確実ですが、だからこそ多くの可能性があります。ITも手段の一つにすぎませんが、手段は使い方次第で有効となります。まずはチャレンジすることが必要です。そこで今年度の当院のキャッチフレーズを「未来への挑戦」としました。引き続き地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。