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ホーム > ご利用案内 > 外来のご案内 > 子宮頸がんワクチンの接種をおすすめしています

子宮頸がんワクチンの接種をおすすめしています


当院では、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐためのHPVワクチン接種をお勧めしています。
公費対象(自己負担なし)の接種期間は小学校6年生~高校1年生相当の女子です。
また、平成9年4月2日~平成20年4月1日までに生まれた女性に対し、令和7年3月31日まで公費対象となるキャッチアップ制度が実施されています。
高校1年相当~今年度27歳になる方は、公費対象の最終年度です。

接種開始から終了までに半年ほどかかる(基本的には3回の接種で接種完了となる)ため、令和7年3月までに接種を終えられるように、今年の夏ごろまでに1回目を接種することをお勧めしています。

厚生労働省から発行されているリーフレットもご参照ください。

※2023年4月から9価ワクチンも公費の対象となりました。
 当院ではこの9価ワクチンをおすすめしています。

<子宮頸がんとは>
 子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮頸部)にできるがんで、毎年1万人以上の女性で新たに診断され、約3000人の方が亡くなっています (1)。この人数は、2000年以降増加している傾向にあります(1)。子宮頸がんは、性交渉によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮頸部に居続けることが原因とされています。それによって、子宮頸部の正常な細胞が、数年かけてゆっくりと、前がん病変(子宮頸部異形成)へ、そして子宮頸がんへと進行していきます。子宮頸がんが、子宮頸部の表面にとどまっている(上皮内癌とよばれます)場合、まだ小手術で対応可能ですが、その範囲を超えて深部に浸潤していくと「浸潤がん」とよばれ、身体にとってより負担の大きい手術や化学療法、放射線療法などが必要となってきます。そのため、定期的な子宮頸がん検診を受けることで、前がん病変を早期発見し治療を行っておくことが重要です(日本では2年に1回の子宮頸がん検診が推奨されています)。

<子宮頸がんの原因は ヒトパピローマウイルス(HPV)>
 ヒトパピローマウイルス(HPV)は100種類以上の型があり、子宮頸がん全体の50~70%の原因を占めるのはHPV16型と18型といわれており、前がん病変から子宮頸がんへ進展するリスクが高いとされています。同様に、31型、33型、35型、45型、52型、58型もリスクが高いとされています。また、6型や11型は、良性病変である性器の尖圭(せんけい)コンジローマの原因とされています。

<子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)について>
 ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染予防のため、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)が開発され、これまでの研究結果から、前がん病変や子宮頸がんを減少させることが示されています(2)。定期接種では、昨年から9価ワクチン(シルガード9®)が公費対象として認められ、当院でも接種を行っています。このワクチンは、従来の4価ワクチン(ガーダシル🄬)にさらに5つのHPV型を加えたワクチンとして開発され、子宮頸がんの原因となるHPV型の88.2%をカバーしています(2)。ワクチンの種類、接種スケジュール、費用、対象者、副反応については表1~3をご覧ください。
 原則3回とも同じワクチンを接種することが推奨されていますが、医師との相談の上、途中から9価ワクチンへ変更することは差し支えないとされています。そのような際は、一度医師へご相談いただきますようお願いします。

<子宮頸がんワクチンの定期接種(公費対象)>
 日本では、子宮頸がんワクチンは2009年12月に承認され、2013年4月より定期接種(公費対象)となりました。接種後に多様な症状が生じたとする報告により、2013年6月から自治体による積極的勧奨は差し控えられましたが、安全性や接種による有効性の評価から2021年11月26日に差し控えの状態が終了となりました。
 定期接種対象年齢(標準的には中学1年相当、公費対象は小学校6年生~高校1年生相当)を対象に市区町村から勧奨が再開されました。
 対象年齢の方、また差し控えの期間に定期接種の機会を逃した方へ、森町では案内を郵送しております。
 現在、平成9年4月2日~平成20年4月1日までに生まれた女性に対し、令和7年3月31日まで公費対象となるキャッチアップ制度が実施されています。

 受け取った案内をよく読んでいただき、お電話にてご予約ください。(ワクチン取り寄せの関係でお電話を頂いた日の翌週以降でのご予約をお願いしております。)
 なお、予防接種の際は問診票、母子手帳をお持ちください。


当院では、9価ワクチンの接種をお勧めしています。(4価ワクチンも接種可能です。)
同時に、子宮頸がん検診も受けることができます。希望で経腟超音波検査との組み合わせも可能ですので、お気軽にご相談ください。
また、男性への4価ワクチン接種も接種可能です。

お問い合わせ(平日 8:15~17:00)
公立森町病院
電話:0538-85-0270(予約専用電話)


表1.HPVワクチンの種類、接種スケジュール、費用
HPVワクチンの種類 ワクチンが対応するHPVの型 標準的な接種間隔 1回の接種費用
2価ワクチン(サーバリックス®) 16,18 0,1,6か月 当院では接種できません
4価ワクチン(ガーダシル®) 6,11,16,18 0,2,6か月 16,690円
9価ワクチン(シルガード®) 6,11,16,18,31,33,45,52,58 0,2,6か月 26,741円
表2.HPVワクチンの対象者(接種可能年齢)
HPVワクチンの種類 対象者
2価ワクチン(サーバリックス®) ■10歳以上の女性 定期接種対象
※当院では接種できません
4価ワクチン(ガーダシル®) ■9歳以上の女性 定期接種対象
■9歳以上の男性 自費接種
9価ワクチン(シルガード®) ■9歳以上の女性 定期接種対象
15歳未満で開始した場合は、6か月以上あけて2回の接種で完了
定期接種は、標準的には中学1年相当、定期接種対象期間は小学校6年生~高校1年生相当・
平成9年4月2日~平成20年4月1日までに生まれた女性に対し、令和7年3月31日まで公費対象となるキャッチアップ制度があります。
表3.HPVワクチンの副反応(3)
発生頻度 4価ワクチン(ガーダシル®) 9価ワクチン(シルガード®)
50%以上 疼痛 疼痛
10~50%未満 紅斑、腫脹 腫脹、紅斑、頭痛
1~10%未満 頭痛、そう痒感、発熱 浮動性めまい、悪心、下痢、そう痒感、発熱、疲労、内出血など
1%未満 下痢、腹痛、四肢痛、筋骨格硬直、硬結、出血、不快感、倦怠感など 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、倦怠感、硬結など
頻度不明 失神、嘔吐、関節痛、筋肉痛、疲労など 感覚鈍麻、失神、四肢痛など
<参考文献>
 1.がん情報サービス.がん種別統計情報.子宮頸部.
   https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/17_cervix_uteri.html#anchor1
 2.日本プライマリ・ケア連合学会.おとなとこどものワクチンサイト.
   https://www.vaccine4all.jp/topics_I-detail.php?tid=9
 3.厚生労働省.HPVワクチンに関するQ&A.
   https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html#Q3-2