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【平成28年度】同報無線による森町病院からのお知らせ


平成29年2月のお知らせ

放送日:平成29年2月15日
担当者:院長 中村昌樹 

 おはようございます。本日は森町の地域包括ケアシステムについてお話します。
 地域包括ケアシステムとは、要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される仕組みであり、国は団塊の世代が75歳以上となる2025年までにその仕組みが構築されることを目指しています。
 私たちの森町について振り返ってみると、すでに高齢化率は2025年の全国の高齢化率を超えており、そのような森町において当院は以前から在宅医療の充実、生活の場につなげる回復期リハビリテーション、また急性期医療の後の生活復帰支援や在宅療養を支えるバックアップ機能としての地域包括ケア病棟の導入などを進めてきました。そして一人で多くの疾患を抱えた高齢患者に対応できるよう森町家庭医療クリニックを開設し、在宅医療支援室を立ち上げ在宅医療コーディネーターを育成して森町訪問看護ステーションとも密な連携をとってきました。また介護については、介護保険福祉施設「森町愛光園」、病院に隣接して建てられた介護保険医療施設「風の杜」、そして認知症対応施設であるグループホーム「たんより」と「虹の森」、また利用者の多様なニーズに対応ができる小規模多機能施設「よろず庵」などと連携することで、医療介護のしくみはほぼ構築できてきました。
 今後の課題は、生活支援と介護予防であります。地域包括ケアシステムで一番重要なのは人々の生活の場をつくることであり、それがなければ医療も介護も意味を成しません。一人暮らしや老々世帯の方が今後も増えることが予想され、公共施設や買い物に出かけたり、日常のゴミ出しをしたりと生活そのものを支える仕組みがあってこそ専門職の支援が提供可能となります。
 当院では一昨年から三倉地区の巡回診療を開始していますが、最近ボランティアの方々により巡回診療所までの患者さんの送迎が始まりました。またデイサービスでのお総菜の販売が始まったことなども生活支援の取り組みの一つであります。住民主体のこれらの取り組みが今後もさらに発展することが期待されます。
 また医療も介護も限られた財源で成り立っており、今後も持続可能な仕組みとするためには地域の人々が自ら予防に取り組み、重症になってから専門職に頼るのではなく、重症化しないために専門職とうまく付き合うことが大切です。そのためには、今後ますますかかりつけ医の役割が重要となります。森町病院と森町家庭医療クリニックが、今後も町民の生活を支える医療機関としての役割が果たしていける、よう地域の皆様のご理解とご協力をお願いします。

平成28年10月のお知らせ

放送日:平成28年10月15日
担当者:院長 中村昌樹 


 おはようございます。森町病院院長の中村です。本日は家庭医療クリニックの女性専門外来についてお話します。
 本年10月から、浜松医大産婦人科学教室の協力のもと、産婦人科専門医の朝比奈医師が月、火、木、金曜日の午前中、女性専門外来を担当することとなりました。これまでも水曜日の午前中は、やはり浜松医科大学産婦人科から派遣された産婦人科専門医の下山医師が水曜日午前中の外来を担当しており、朝比奈医師が赴任したことで、月曜日から金曜日までの毎日、産婦人科専門医の診療も受けられるようになりました。
 本年8月から、浜松医大産婦人科教室と袋井マタニティクリニックの協力のもと、森町家庭医療クリニックでも妊婦検診を開始しており、これまで森町では対応できていなかった産婦人科診療も、より充実した体制で提供できるようになりました。
 女性専門外来とは、内科や外科、婦人科といった従来の診療科の分類にとらわれず、女性の心と体の問題に総合的に対応する専門外来です。女性医療は、男性とは違う女性特有の問題を扱うために、1980年代にアメリカで発達した医学の一分野です。様々な病気の原因や治療法が男女では異なることが分かっており、性別の差を考慮した医療が現在日本でも注目されています。特に女性の場合は、ホルモンのバランスや生活環境、あるいは社会的要因が身体症状に影響を及ぼすこともあり、プライバシーの守られた環境でじっくりと話を聞く診療体制が必要とされます。家庭医療クリニックは、12ある診察室のすべてが個室であり、プライバシーに配慮した診療体制となっています。家庭医は女性医師も多く、これまでも性別、年齢別、あるいは診療科の隔てなくすべての疾患に対応し、若い方からご高齢の方まで、多くの女性特有の問題にも対応してきましたが、新たに赴任した産婦人科専門医との連携でより質の高い診療が提供できるものと考えています。
 朝比奈医師はこれまで浜松医大付属病院で、不妊症の専門外来にも携わってきたベテラン医師であり、不妊治療の相談にも対応することができます。
 今年度の森町病院のキャッチフレーズは「日々進化」です。時代の要請に合わせ、日々進化することで、子育てのしやすい森町づくりに医療の面から関わっていきたいと考えています。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

平成28年6月のお知らせ

放送日:平成28年6月15日
担当者:院長 中村昌樹 


 おはようございます。院長の中村です。
 本日は、検診の重要性についてお話します。検診には、定期健康診断などの一般健康診断、特殊な業務に従事する人を対象とした特殊健康診断、行政指導による健康診断、そしてがん検診などの種類がありますが、いずれも病気の早期発見や予防を目的として行われるものです。森町では成人を対象に総合検診を実施しており、特定健康診査、がん検診、胸部検診、骨密度検診等があります。さらに森町病院では、総合的な人間ドック以外に、ご自分の体の、気になる部分だけを選んで検査できる、いくつかの選べる検診コースも提供しています。関心のある方はぜひとも公立森町病院のホームページをご覧ください。
 人は誰でも誕生から死に至る過程の中で、様々な病気と闘わなければならない場面に遭遇します。小児期はウィルス感染などが多く、年を重ねるにつれて生活習慣や加齢に伴う疾患が多くなります。病院の受診率は50歳代後半から急激なカーブを描いて年とともに増えてきますが、このことは単に加齢によるものだけでなく、30歳代、40歳代の生活習慣が大きく関わっています。つまり多くの病気が、症状が出る前から進行し、ある程度の時間が経過してから発症するということになります。中には突然発症する病気もありますが、どの病気も進行すればするほど治癒が難しくなり、治療にも多くの負担がかかることになります。したがって、いつまでも健康で元気に過ごすためには、体の異常をいかに早く見つけ、いかに早く対策に取り組むかが重要です。
 高血圧、糖尿病、高脂血症、慢性腎機能障害などは進行すればするほど心筋梗塞や脳卒中などの発症率が高くなります。合併症が発生した時点では、すでに動脈硬化が進み血管がボロボロになっていることが多く、その時点から治療を開始するよりも、それ以前から取り組んだほうが明らかに効果的であり、医療費の削減にもつながります。また何よりもご本人の幸福につながります。
 これまで病院は病気になってからかかるものという意識が一般的でしたが、これからは病気の予防のために医療をうまく使うことが大切です。医学の進歩で予防の方策も次々と明らかとなり、国の政策も予防に力を入れる方向に大きく転換しています。いまや早期発見で多くのがんも治る時代です。検診で異常を指摘された場合はそのまま放置せず、必ず医療機関を受診してください。仕事が忙しいからなどと理由をつけても、ご本人にとっての問題は解決しません。自らの取り組みがこれからの地域包括ケアシステムの基本となります。当院も地域の皆様の幸福を支える医療を目指し取り組んでまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。